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シリーズ元気の素2009年2月13日掲載





                                        インタビュー そのZ
   人と自然が調和する
“ビオトープ公園”の実現をめざして

   「池島・福万寺カワセミ楽会」代表 堀江洋子さん

大阪市の南東部、八尾市と接する池島地域。昔は湿地帯で、水田が広がっていた。

在、発掘調査を伴いながら、巨大治水工事が進行中。行政に対し、自然保護と原風景の再生の要望活動を続けているのが「池島・福万寺カワセミ楽会」。

表として活躍する堀江洋子さん(61)に、人と鳥たちが共生する「ビオトープ公園」構想や希望を語ってもらった。

 写真:鵜(ウ)の着水
 2009・2・9 撮影

人と野鳥の共生ゾーンを

 堀
江さんは、「会」のめざすものや背景を教えてくれた。


江さんたちが活動する池島の田園地帯は、昔、「野鳥の里」と呼ばれるほど自然に恵まれ、シギ・チドリなどの渡り鳥を含め、多種多様な鳥が乱舞するところだった。弥生時代から連綿として水田耕作が行われ、鳥たちは何世代にもわたってここをめざして飛んで来た。

代化の波で、湿田の乾田化などその姿は変わってきたが、鳥たちにとって貴重な土地であることに変わりはない。それどころか、他の生息地域の減少により、この土地の重要性はかえって増している。

ころが、1978年(昭和53)この土地で、恩智川治水緑地の建設工事が進められることになった。度重なる恩智川の浸水被害の緩和を目的にした大阪府による計画だ。
池島・福万寺の40.2ヘクタールもの広大な工事で、湿地や水田が対象になった。

かし工事は進む中、当時は野鳥の存在が考慮される保障がなかった。堀江さんたちは、建設計画に、地域の要望や鳥たちの“声なき声”を代弁しようと「池島・福万寺カワセミ楽会(がっかい)」が設立された。1998年(平成10)のことだ。すぐさま、9140筆もの署名を集めている。

」は、湿地を生かしつつ、人と野鳥が共生可能な「ビオトープ公園構想」を練り上げ、府や市に提案し、一貫してその実現を働きかけている。息の長い活動は10年を越えた。

写真 「池島・福万寺カワセミ楽会」代表 堀江洋子さん
 
 なぜカワセミの名が? 

たちの団体の名前にカワセミの名がついているのは、カワセミたちが活動を始めるきっかけを作ってくれたからなんです」と、堀江さんは名前の由来を語った。


島の工事現場に、いつからかカワセミ夫婦が姿を見せはじめた。カワセミが目をつけたのは、削られたばかりの柔らかい崖。そこに新しい巣をつくって子育てを始めた。

近の住民たちは、ほほえましく見守っていたが、ついにこの崖を削ることになった。このとき、「カワセミのひなが巣立つまで工事を待ってほしい」と、堀江さんたち住民が立ち上がった。
              写真:小魚を捕らえたカワセミ 「カワセミ楽会」提供

のとき声を上げなかったら、カワセミの巣はヒナもろとも破壊されていたことだろう。これを契機に、「池島・福万寺カワセミ楽会」の活動が盛り上がった。カワセミが心を一つにしてくれたわけだ。後に、カワセミの巣のあった所は“島”として残され、今も多くの鳥たちが利用しているという。

  野鳥に対する想いの深さ

行政への要望活動は、忍耐と根気が必要だ。「堀江さんを支えるものは何か?」と問うと、堀江さんは鳥と自分とのつながりを語った。

さい頃からまわりには鳥がたくさんいました」と、堀江さんは昔を振り返る。
玉串の農家に生まれ、野山を走り回るお転婆娘だったという堀江さん。サギが森を真っ白にするぐらい群れているのや、カイツブリの親が背中にヒナを乗せて泳いでいるところなどを見て育った。

学校のとき、アオサギが飛べなくなっているのを発見。翼の骨を折ってしまった様子。そのアオサギを連れ帰って、物置小屋で世話を始めた。朝の登校前と下校後に、網とバケツをもって魚を捕りに川に出かけ、魚を金ダライに泳がせて食べさせたという。世話をはじめてからしばらく経って、はばたきをするようになり、畑に放すと元気に飛んでいったという。
    
婚して二人の男の子を育てるときも、毎日ほど山や池など自然の中で遊ばせたという堀江さん。今は、息子達も、鳥が好きで、ご主人も「車係」からはじまり、今ではともに行動するよき理解者に。


島には、結婚して数年後に移り住んだ。しかし、転居までここが「野鳥の里」とは気づかなかったというから不思議だ。当時は、レンゲ畑が一面に広がり、森はうっそうと茂り、キジも棲む里山だった。渡りの時期になると空が黒くなる程、沢山の鳥がやって来たという。

「鳥が私を呼んでくれたのかも」と明るく笑う堀江さん。
活動のエネルギーの源泉は、野鳥に寄せる深い愛情であるようだ。
  写真:左上はコサギ    2009・2・9撮影
      下はカルガモ親子 「カワセミ楽会」提供
        

  堀江さんたちの活動は

  
最終の目的は、「ビオトープ公園」の実現だが、「日常的な活動はどうしていますか」という問いに対し、堀江さんは次のように答えてくれた。

この土地の貴重さを、広く知らせる

 
島・福万寺地域が、国際的にも貴重な土地であることをみんなに知ってほしい」と語る堀江さん。
 
1000キロメートルも旅をするシギ・チドリなどの渡り鳥は、途中で翼を休め、体力を蓄える必要がある。あたかも、砂漠の隊商がオアシスを頼りするように。太古より湿地である池島は、渡りのルートにあり、重要な中継地であった。とくに、湿地で生息するシギ、チドリ類にとって、大阪の内陸部で唯一の湿地帯であるこの地はひじょうに重要である。

の事実をたくさんの府民・市民に知ってもらいたい。そのために「会」では、写真展、自然観察会、環境フェスティバルへの出店、勉強会、近隣の学校への自然についての啓発活動などをしているという。

 
 池島第一期工事完成間近の恩智川緑地     
         2008年秋 撮影
      
ヨシゴイ「カワセミ楽会」提供
鳥が安心して暮らせるように

「会」では、地域の生き物調査や環境調査を行い、そのデータを元に、野鳥が安心して過ごせるように、行政にいろいろの対策を提案をしている。
とえば、多様な自然環境を実現するための提案や、水質浄化作用もあるヨシ原の保全。環境教育の場としての環境づくりなど。

堀江さんは、
「果樹がもっとあったら鳥のえさになるのですが・・・。」「鳥の隠れ場所として、雑草やヨシ(アシ)を全部刈らずに、部分的に残してもらいたい」タマシギは、本当に臆病な鳥で、安心して居られるような目隠しの生垣もほしい・・・」と、あくまでも鳥たちの目線で話してくれた。


      写真下:日なたぼっこのスズメ 2009・2・9撮影
近隣の人たちの協力をあおぐ
 
 野鳥を守るために、周辺住民の協力をお願いする活動もすすめているという堀江さんは、二つの例を上げてくれた。

 
ケリという鳥は、農閑期の田んぼに巣作りをする。
ところが、近年、田おこしの時期が早まってきて、子育て中に耕運機が入って、巣が壊されるケースが増えてきた。「カワセミ楽会」では、
農家に、巣を守るノウハウを示しながらケリの巣の保護をお願いして回っている。その結果、農家の人たちも、面倒な作業ながらそれに応えてくれているという。 右 ケリ「カワセミ楽会」提供

 ハヤブサは、高い所から獲物を狙う習性があるが、近くの大阪市環境事業局の高い煙突を利用していることがわかった。ハヤブサの繁殖をめざし、大阪市にも働きかけ、協力を得られているということだ。



 清掃活動を終え、ホッと一息つく会員さん。年に2度ほど実施している。
  


ハヤブサの雄姿。高い所から獲物を狙っている。
             「カワセミ楽会」提供
仲間をうんとふやしたい

長く続けていくためには、多くの仲間の力が必要」と語る堀江さん。「会」が行う“ボランティア清掃”や“野鳥の観察会”などに気軽に参加して、池島の土地や鳥の魅力にふれてほしいという。

に、将来を担う子どもたちに継承してもらえるよう、小中学校の見学会には極力援助していきたいと語ってくれた。
     


 堀江さんの向かって左はご主人の進さん。右は「東大阪野鳥の会」会長でもある岩本昭廣さん。右端は事務局の中村敬子さん。  2003年東大阪市環境功労者・市長賞 

                写真:「カワセミ楽会」提供 
池島・福万寺カワセミ楽会
リンク

 
取材を終えて

江さんは、自宅で、傷ついた野鳥の世話をすることがあるという。鳥を保護した市民が動物病院に持ち込み、獣医さんは処置をしたあと、その傷ついた鳥を堀江さんに託すのだそうだ。フクロウを預かったときは、自宅の一室に網を張り巡らし、止まり木もつけて世話をしたという。少女期から、小さな命を愛し大事にする姿勢と行動力は一貫しているようだ。堀江さんたち「カワセミ楽会」の湿地帯を活かした「ビオトープ公園」の夢が実現することを祈りたい。

人と自然の調和” “野鳥との共生ゾーン” の実現は、全国に誇れる空間が東大阪市に新たに誕生することであり、東大阪市が環境都市として前進する大きな一歩になる。東大阪市民として関心を向けないわけにはいかないだろう。 何はともあれ、まだ行かれてない人は一度、見学に行かれることをオススメする。3月8日(日)には「池島・知っタカ観察会」が催される予定。*詳細は「ふれあい掲示板」にて

                                  レポート:楢 よしき


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