今どうなってるの?!東大阪
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知っ得 市政情報2008年4月17日掲載




先生たちの嘆き


 この制度では、後期高齢者(75歳以上)は、診療所・開業医院で担当医を決め、その先生と相談して医療を受けることになりそう。また、医療にかかるお金や治療の仕方は、75歳以上の人とそれ以下の人でまったく違うしくみとされます。さて、お医者さんたちの憂鬱とは。


登場人物 先生 これからは、寅のご両親は慢性病の場合、まず、わしの所に来てもらうことになる。
寅 当然ですがな。これからもよろしゅう。あんまり病気で行かしとうはないですけど。
先生 75歳以上の方は、大きな病院や専門病院に入院が必要な場合、わしが判断して手配することになりそうや。
このままこの制度が進んだら、75歳以上は。今までのように病院を選んで連れて行くことはでけんようになる。75歳以上は・・・
寅 へえ〜 ところで、先生の話には、ようけ75歳という言葉が出てきまんな。
先生 75歳以上は、別の人間扱いや・・・。そこが納得いかんのや、わしは!
寅 そーでんな。74歳と75歳で人間が変わるわけはなし・・・。


寅さんは、憤る先生に、“いつも穏やかな先生がこれほど怒るのは、ただ事やない”
と感じながら、まあまあどうぞと、酒をすすめます。




後期高齢者を診た・・・

先生 75歳以上の人の担当医になったら、一人当たりなにがしかの報酬がもらえるということや。
寅 たくさんのお年寄りに来てもろたら、先生は儲かりますがな。
先生 人数を増やそうとして、「ハイお次、ハイお次」とやれ言うんか?わしはな、患者さんの食事のことや、生活習慣のことなどが知りたいから、世間話も大事にしとるんやで。話したら、ホッと一息ついて安心して帰っていきはる人もあるしな。
わしは長い間、人を助ける“赤ひげ先生”をめざしてやってきたから・・・。
寅 先生、それやったら大丈夫でっせ。赤かび(・・)も生えて、貫禄十分でっせ。
先生 かび(・・)やないがな、寅。 赤ひげや・赤ひげ!
寅 そないむきにならんと。せやけど、病気の種類も治療法も関係なしに、あたま数で計算するやなんて、家畜扱いでんな。



患者一人当たり・・・

先生 それだけやないで、寅さん。慢性病の検査と治療に許されるお金の上限が決まるのや。今の話では、一ヶ月に6000円ということや。
寅 ええ〜っ!それ以上、治療したら・・・?
先生 病院の持ち出しということになるな。
寅 それやったら、病院は 「はいここまで」 と言うようになりますな。
先生 わしの性分では、そないなこといえるかいな。寅がもし、そう言われたらどないする。
寅 先生にそう言われたら、辛抱しますがな。
先生 寅、わしを助けてくれるんやな。せやけど、お前の親が「もう診られん」と言われて悲しそうに帰ってきたらどうや?
寅 そら先生、年寄りをいじめるようなもんや。なんぼ先生でも、許しまへんで!
先生 そやろ、それが人の道、人情ちゅうもんや。どこの家かて親は大事やから、みながそう言うてきたらどうなる。たちまち病院は板ばさみや。

この人は、あとなんぼ残ってる。あの人は、もう一回分しか残ってないといつも、金の計算をせなならんのや。わしは、患者さんから「楽になりました」とか「先生おおきに」と言われるのがうれしゅうて赤ひげをめざしてきたんや。
寅!赤かびでも赤さびでもないで。
寅 先生がこだわってはる、その赤ひげいうのはいったい何者ですねん?
先生 昔のことで、人助けを第一に考えるお医者さんの話や。
寅 計算に弱い、人情に篤い先生ならではの話ですな・・・。
先生 計算に弱いだけは余計や。寅に言われとうない。
寅 そらそうですな。アハハ。なんか、酔いが覚めてきたがな。


まあまあ、もう一杯とすすめる寅さん。先生の舌鋒はますます鋭さを増してまいります。




イラスト1



入院は長くても・・・

先生 それだけやない。入院一回につき、病院が受け取る報酬額は同じにするという計画まである。
寅 ということは、2〜3日の入院でも、2〜3週間の入院でも、病院が受け取れる額は同じということに・・・
先生 そういうことや。長く入院すると、ベッドも、人手もかかる。薬も増える。早く退院してもらう方が、病院経営には都合がいいということになってしまう。
寅 高齢者の追い出しにつながりかねませんな。



最初の計画通りに・・・

先生 その上、75歳以上の入院患者を受け入れるとき、退院計画を立てるようになるんや。
寅 それについては、計画的に治療してもろたらええんとちがいますか。
先生 それがなぁ、寅さんや。物事が計画通りに行くことは少ないやろ。
寅 そういや、家具を作るにも、一枚一枚の板の性質や、作る季節によってもみな違いますわな。
先生 そやろ。同じ病気でも、個人個人で違うんやから。それに、徹夜で仕事して間に合わすようなこともできん。
寅 そら、もっともや。相手は生きてる人間やさかい。
先生 ところが、計画通りに患者を退院させたら、特別の報酬がもらえるとしたらどうや?
寅 う〜ん。そら、計画通りに退院させようと、多少無理しますやろ。
先生 医者からは、もうちょっと様子見た方がいいと思っても、儲けを気にする経営者がいたら、「退院をのばしたい」と言いにくなるやろ。
寅 すぐ追い出して、患者の回転を早くすると病院は儲かるいうことですな。
先生 そうや。病院と医者に、今、はびこってる成果主義っちゅうバイ菌を注射されるということや。医は仁術でなく、算術に変えさせるということや。
寅 なんかむずかしい言葉ばっかりでんな。忍術なら好きですけど。
先生 ひらとう言うたら、病院は人間を大切に扱わんでいい。患者の気持ちや心は考えんと医療費のことだけ考えよというこっちゃ。高齢者医療を手始めに、日本の医療全体が金儲け本位になっていくで。
寅 そんなもん、病院で人間扱いされんかったら困りますがな。儲かる患者には愛想ようて、儲からん患者には冷たいやなんて、庶民は安心して病院にいけませんがな。
そういや、前に、病院から公園に捨てられた爺さんおりましたなあ。ひどい事件も起きてますがな。

 みなさん、最近、医療に関するトラブルが多いと感じませんか。病院のたらいまわしで挙句の果ての手遅れ。産婦人科がつぎつぎ閉鎖で、妊婦さんが安心して産めない。小児科がないので、病気の子どもを抱きかかえてあっちこっち。お医者さんの過労死も生まれています。
 この現象の根本は、病院やお医者さんに問題があるからでしょうか?国全体の医療が崩壊を始めているからでしょうか?国民の命や健康よりお金が大事という考えが底流にあるとしたら恐ろしいことですね。
でも、以下の計画を知ると不安が増します。


延命治療を・・・

先生 それだけやない。
寅 ええっ!先生おどかさんといてえな。
先生 医者が引導をわたす仕事もするようになる。
寅 なにをおかしなこと。引導をわたすのは、坊さんの役目ですがな。
先生 「もうこれ以上、延命治療を望みません」と家族から“いっさつ”をとったら、病院に報酬が入る。
寅 ええっ!?引導をわたしたらお布施がもらえる?
先生 それだけやない、75歳以上の人に“在宅死”を選ばせて退院させたら、病院に報酬が入るシステムになるんや。人の命を大切にする医者ほど悩みが深い。
寅 なんでそんな人間味のないことしますねん。
先生 厚労省のお偉い人が、病院で死ぬ人を減らし、自宅で死ぬ人をもっと増やしたら、医療費の節約ができるて言うてるらしい。
寅 なに言うてますねん、その人ら。ムダを削るのはいいけど、命を削ったらあかんがな。そのお役人さんたち、自分の親ごさんはどうしはりますんやろ?
先生 心配はないのやろ。自分たちは、ぎょうさん金もってはるがな。
寅 年齢でくぎるだけやなしに、金をもってるかどうかで命の扱いを変えられますんか。
そんな目に遭わされる年寄りと、どうするかを迫られる家族がかわいそうですがな。わたしの親だけやのうて、おハナはんにも、だれにもそんな扱いしたらゆるしませんで!これ姥捨てでっせ。

イラスト2


今度は、寅さん興奮状態。先生がまあまあと酒を注ぎ、ちょっと収まったところで

先生 かわいそうというたら、寅、なんで一人置いていかれたんや?
寅 みんなで、映画を見にいきよりましたんや。それも、とくべつかわいそうな話を。
先生 たんまに、一家で一緒にいったらええのに。
寅 それがその、かわいそうな映画がおわったあと、ぱっと明るくなっても、わたし席を立てませんねん。
先生 そらあかんがな。足腰でも痛めてるんかいな。
寅 ちがいます。目ぇですねん。
先生 目が悪うて立たれんようには見えんけどな。
寅 先生は赤ひげやけど、わたしは赤目の寅になってしまいますんや。
先生 そうか、寅は人情話に弱いからな。せやけど、今は酒で赤鬼の寅になってるで。
寅 そういう先生は、むちゃな医療制度を怒こってる青鬼みたいでっせ。

寅と先生、酒はけっこう強いけれど、人情話にはめっぽう弱い二人。
怒るやら嘆くやらの酒宴になってしまいました。


 
 今度の医療制度は、保険料徴収の問題だけでなく、75歳を境目にして診療や治療が制限され、病院での扱われ方 まで変えられることがわかりました。一言でいえば“金は取っても、治療なし”というやり方です。この混乱は、国の説明が不十分だからでなく、そもそも、国 が道理のないことをしているのが根本なのではないでしょうか?厚労相が、「7〜8割の人の保険料は下がる」とテレビ番組で公言したあと根拠をたずねられ、 「私の感覚です」「一人ひとりに聞かないとわかりません」というのは、その場かぎりのごまかしに聞こえます。
 日本の国全体が、「儲かるか・儲からんか」だけの世界になって、
「その歳で、その所持金では、高度な治療はできん。人間どうせ死ぬんやから、家に帰って寝てなはれ。」という扱いを受けてる自分や家族を想像したくもありません。

 今回の問題は、75歳以上の人だけのことではなく、日本の医療観、生命観が問われていると思いますが、みなさんはどう受け止めますか?

 この計画と平行して、厚労省は、高齢者用のベッド35万床を、この4月から半分に減らす作業にかかっているようです。その後の対策や補償もなしに、ベッドだけ減らせば、患者・家族と病院の間で、とんでもないトラブルが発生するのは必至です。
また、来年から70歳から74歳までの窓口負担を2倍に増やす計画が進行中とか。
  しかし、矢面に立たされるのは、いつも、直接責任のない現場のお医者さんや看護師さんや事務員さんです。国や行政は、これらの人達を盾にして乗り切るので なく、自身で国民が納得のいく説明が必要です。今回の唐突で、道理も人情もない「後期高齢者医療制度」なるものは撤回するのが筋でしょう。

せめてお年寄りには、「戦中戦後のご苦労は大変でしたね。老後は安心して過ごしてください。医療費はいりませんよ」と、いいたいものです。それが、われわれ庶民とお医者さんの共通の願いではないかと思いますが、みなさんいかがですか?




おねがい:後期高齢者医療制度の問題でご意見やご感想を「どーなってるの東大阪」
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「広域連合」や市役所も質問や問い合わせに応じることになっているようです。

 ・大阪府後期高齢者医療広域連合
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                     06−4309−3166 直通
    *4月からの実施にともなって、新たな窓口の検討もしているようです。

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