2007年11月26日掲載
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奈良時代の天皇から一般の人びとまでの歌を集めた万葉集。
これに歌われた植物を万葉植物と呼んでいます。
鑑賞のための花から実用的な植物、現在では雑草とされているものまでさまざまです。
私たちが住む東大阪でも見られる万葉植物を順にご紹介します。
一般に“萬葉集”の文字を使いますが、ここでは万葉集で表記します。
花の名のひらがなは万葉名、カタカナは現代名です。 |
うはぎ(ヨメナ)キク科
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“野菊”と呼ばれる
ヨメナは、シラヤマギク、ノジギク、リュウノウギクなどとともに、一般的に野菊と呼ばれている身近な植物です。田畑のあぜなどの少し湿った場所を好み、秋に薄い紫色の美しい花を咲かせます。初夏の花屋にならぶミヤコワスレは、ミヤマヨメナからわかれた園芸種です。
ヨメナを漢字で表せば・・・“嫁菜”
春の若芽のころは、味が良いことで知られています。食用とする野草の中で一番美味しく見た目もやさしいので嫁菜という名がついたのでしょう。ちなみに、これに対して、ムコナ(婿菜)と呼ばれていたシラヤマギクは、その名の通り花が白く、花びら(舌状花)は少ない種類です。
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「うはぎ摘み」は大切な食材集め
万葉集では二首がヨメナを詠っています。どちらも「うはぎ摘み」に関するものです。カブやニラ、サトイモなどの他は、ほとんど野菜類のなかった奈良時代に、ヨメナは貴重な山菜であったのでしょう。
「野菊の墓」のイメージが浮かぶ
子どものころは“ままごと遊び”によく使いました。あこがれの人を想って、花びら占いをした方もおられるのでは。「野菊の墓」の野菊は、きっとこんな淡い紫色をしていたのではないでしょうか。
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*写真は白嫁菜ともいわれるヤマシロギク |
(酒野通信員)
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