2012年7月31日掲載
2012年9月21日改訂
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今年の2月、東石切町に古民家を再生したギャラリーがオープンしました。
石切神社参道のすぐ近くです。のぞいてみることにしました。
動画でライブの様子を紹介しています。
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生駒山麓・音川のほとり
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北川小路の地蔵堂&石切ビレッジ母屋 |
近鉄石切駅から参道商店街
の一つ手前の坂を下って5分。
辻子(ずし)越えの道※のかた
わらに「北川小路の地蔵堂」
が見えます。左手に見えるの
が今回紹介する藤井家の白壁
です。
※辻子谷の音川の流れに沿って生駒
山を越え、宝山寺にいたる旧街道。 |
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立派な長屋門を入ると、打
ち水で涼しくなった玄関で、
たぬきとうさぎが出迎えてく
れました。今日は、母屋のギ
ャラリーで、「うちわと青白磁
の器展」が開かれているよう
です。まずはその様子をウオ
ッチング! |
うさぎとたぬきがお出迎え |
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母屋は築260年!
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黒光りの梁や柱 |
風流な絵団扇 & ファッション小物 |
屋内に入ると、黒
光りする太い柱が
まず目に入ります。
どっしりとして、落
ち着いた空間。
心から安らげる雰
囲気が漂います。 |
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ここに置かれた展示の小物
たちは、ところを得て、まる
で故郷にでもかえってきたか
のように、生き生きとした表
情を見せています。 |
展示物のいろいろ
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現代風に改修されたダイニングキッチン |
ギャラリー内は、純和風
ばかりでなく、ダイニング
キッチンにはテーブルが
あり、カナダ製の暖炉が置
かれていたりと、現代的な
改修がなされ、古民家での
新しい生活を提案してい
ます。 |
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すでに何人かの訪問客がお
られ、おしゃべりしたり、展
示物をみたりしています。
そこに家主の藤井友位
(とものり)さんがおられたの
でギャラリーの話を伺うこと
にしました。 |
洒落た金魚鉢 & 置物 |
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建物を後世に残したい
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この家で育った藤井さん。子どものころ、「家の柱は黒い
もの」と思っていたといいます。前を流れる音川では、洗濯
や野菜洗いなどの日常風景がありました。 |
藤井友位さん |
成人して東京でコンピュー
ター関連の仕事をしていまし
たが、個人で日本民家再生
協会に参加していました。
東京で暮らしていても、古
民家の実家のことが藤井さ
んの頭から離れなかったよ
うです。大阪に帰ってきて、
お母さんと一緒に住むよう
になってから、「自分たちだ
けでこの建物は守れない」と
痛感しました。二人で広い敷
地と建物を管理するのは体
力的にも限界があります。 |
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何か解決の糸口を見つけた
いと、古民家再生工事の現場
に出かけました。そこで、強い
味方と出会うことになります。
その人とは、古民家再生を手
がける「輝(てる)建設」の
小原公輝(こはら・よしてる)社長
です。 |
調度の説明をする藤井さん |
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小原さんは、NPO日本民家再生協会(JMRA)の近畿地
区の事務局を任され、国交省の補助事業※の一員として、
各地の民家の調査に携わっています。
※「伝統的構法の設計作成及び性能検査実験検討会」の中の「構法、
歴史部会」 |
輝建設代表取締役・一級建築士 小原公輝さん |
藤井さんは、小原さんと意
気投合し、屋敷を輝建設に貸
し、改修を任せることにしま
した。不動産信託による古民
家再生事業プランを取り入れ
不動産信託会社を間に立てて
の契約です。こうしてギャラ
リー機能を併せもつ輝建設の
事務所「石切ヴィレッジ」が
誕生することになりました。
開設に踏み切った心境を
当の小原社長に伺いました。 |
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「石切ヴィレッジ」の開設
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小原さんは、日曜日の事務所で一人仕事をされていました。
事務所まで移された理由をたずねました。 |
「決心のいることでした。
でも、ビルの一室で古民
家改修の話をするより、
この場所の方が説得力
があると思いました。それ
に、古民家再生の実際を
見ていただけるメリットも
あります」と、理由を話して
いただきました。 |
戦後すぐのプレハブを改修した事務所で |
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さらに、ギャラリー開設についてもたずねました。 |
日本全国の古民家実地調査の資料がたくさん |
「古民家を、だだ再生保存
するのでなく、活かして利用
するという点で、ギャラリー
開設は、多くの方々に古民
家に親しんでいただく機会
になると考えます」との説明
です。最後に、東大阪の一
企業として、みなさんと親交
を深めていきたいと、抱負を
述べられました。
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この小原社長の「石切ヴィレッジ」開設の決断について、
藤井さんは「地元活性化の点で大歓迎でした」と語ります。 |
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さまざまな年代の建物
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邸内の建物など
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敷地内には、江戸中期の河内農
家の母屋を始め、大正時代の「離
れ」などが建っています。今回こ
れらを再生・活用にいたるいきさ
つを、藤井さん、小原さんのお二
人に聞くことができました。東大阪
の貴重な遺産を一つ守ることがで
きたことは幸いです。東大阪には
まだまだ多くの古民家が残ってい
ますが、個人の力には限界があり
ます。古民家を保存したり、現代
に蘇らせたりする仕事は待ったな
しの現状です。それこそ官民あげ
ての施策が望まれます。お二人の
努力と熱意から大いに学びたいも
のです。
ルポ:楢よしき |
ヒメヒオウギズイセンの花 |
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画面クリック:広域MAP |
社是 :国産材・自然素材にこだ
わり、 「木の温もりのある」温故知
新の家づくり。OMソーラーのエコ生
活を提案
住所:東大阪市東石切町5-4-54
電話:072-987-2200
FAX:072-987-2230
URL:http://www.terukensetsu.jp
駐車 :可 要連絡
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<イベント紹介>
8月18日((土)草引きとソー
メン流し要予約
8月25日(土)安枝寿子のひ
とり語りと琵琶の会
「耳なし芳一」他
※藤井邸の見学も受け付けて
います。あらかじめご連絡くださ
い。(上記連絡先)
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nNPO日本民家再生協会
(JMRA)
http://www.minka.or.jp
近畿地区運営委員会
Eメール kinki@minka.jp
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<動画> 石切ヴィレッジでのライブ映像 |
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