2012年11月5日掲載
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加納にある宇波神社では、秋祭りに郷土芸能の獅子舞や天狗が登場するといいます。いわれや祭りの様子を取材しました。 |
天狗さん(黒天と白天) & 獅子神楽の奉納 |
岬の先にあった 宇波神社 |
宇波神社の鳥居 & 門 |
宇波神社は、延喜式内社で、古くからの由緒があります。祭神は、埴安姫命(はにやすひめのみこと)です。“埴”の字は、埴輪(はにわ)にも使われるように、土を意味します。土は農業の大本であり、古代、土には神聖な霊力が宿ると考えられていました。この土地が“字瓦口”と呼ばれていたのも土との縁を感じさせます。 |
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古代から中世にかけては、河内湖に張り出した岬の先端に位置し、眼前に河内湖が広がっていました。地勢的にみて、港が発達し、漁業、商業、水上交通の要衝として栄えたと考えられます。
神社の入口には、鳥居と門が並立しています。奈良時代以来の神仏をあわせて祀る風習がしのばれる貴重な史跡です。 |
藤井直正著 東大阪の歴史より 一部加筆 |
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伊勢大神楽の技が伝わる
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江戸時代、稲刈りをすませた河内地方に伊勢の大神楽がやってきました。伊勢神宮のお札を配り、獅子舞でお祓いや祈祷をしました。曲芸もあり、庶民の大きな楽しみでした。鴻池新田会所で「総舞(そうまい)」※をするため、前日に加納村や川田村に泊まりました。村の青年との交流から、獅子舞や天狗が伝授されていきました。加納・川田に郷土芸能として根付いて百年になるようです。 |
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※総舞:数時間かけて、舞や曲、万歳などの演目で構成される舞台。
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「加納文化伝統保存会」が継承
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その伝統は、一時途絶えかけました。しかし、地元の文化を大切にしたいという人々の気持ちの高まりの中、20年ほど前に「加納文化伝統保存会」(以降「保存会」)が結成されました。保存会の活動により技が復活し、郷土芸能が引き継がれることになりました。
保存会の会員は、現在、100名を超えています。そのうち半数が若い人たちだというのも心強いことです。 |
横笛奏者 & 小学校での披露 |
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会計 副会長 保存会会長 副会長 書記
河西豊文さん 田中 智さん 久森敬次さん 森本由紀夫さん 宮下勝仁さん |
保存会では、6年前ぐらいから地元の加納小学校で獅子舞を披露しています。地元の将来を担う子どもたちに、伝統芸能を引き継いでもらいたいという願いがあるからです。 |
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<動画1>加納の獅子舞と天狗さん |
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加納の地車
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加納の地車 |
宇波神社の秋祭りに地車(だんじり)が登場します。現在のだんじりは、昭和27年に新調され、高さ4メートル、長さ7メートルの大きいものです。
だんじりの左右には、加藤清正の虎退治と、秀吉本陣佐久間の乱入の場面が、後方には川中島の合戦の勇壮な彫り物が施されています。 |
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<動画2> 宇波神社の秋祭り |
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町ぐるみ力合わせて
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加納地区では、加納自治会・加納7丁目自治会・加納8丁目自治会と連携し秋祭りに取り組んでいます。祭り期間中、地域の人々が出演する「奉納演芸大会」が催されるなど、まちづくりにも発展しています。 |
獅子舞お祓いに行く前のみなさん |
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<動画3>加納文化伝統保存会会長に聞く |
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ルポ:楢よしき
参考:加納文化伝統保存会作成「案内プリント」
「東大阪市の歴史と文化財」 教育委員会編
「東大阪の歴史」 藤井直正著 松籟社 |
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