2014年8月30日掲載
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ようこそ東大阪へ!今回のアーティストは、動物イラストで知られる佐藤邦雄さんです。
この夏、東大阪市民美術センターで、ぼくの動物美術館Ⅱが開催されました。
鳩まめ倶楽部は、8月24日(金)の記念対談の日に、佐藤さんを取材しました。
<動画>佐藤邦雄さんの世界 ←ジャンプ
※文中の絵画は、色調・構図など、原画と異なります。 |
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動物画で著名なイラストレーター
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東大阪市民美術館 |
東大阪市民美術センターでは、この夏、イラストレーターとしてよく知られている佐藤邦雄さんの原画展がありました。佐藤さんの個展は、市民美術センターでは2回目となります。
期間 7月12日~8月31日 |
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右のネコやイヌの絵をみて、あれっ、どこかで見たような・・・!と、感じられた方も多いのではないでしょうか。絵は、リアル感がありながらファンタジーも感じさせる、佐藤さんの独特な世界です。 |
微笑を返さずにいられない |
苦難も乗り越えて
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佐藤邦雄さん |
お父さんが映画の看板職人だった佐藤さん。子どもの頃は、「違う道に」と考え、高校は土木関係に進みます。しかし、理数の勉強になじめず、結局は映画の看板屋さんで下働きすることになります。仕事の内容は、ベニヤ板のキャンバスを作ること。絵を描くことはありませんでした。ところが、皮肉にも、このころから絵を描きたいという意欲が、佐藤さんの心にふつふつと湧いてきました。 |
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みんなが寝静まってから布団の中で絵を描くなど、油絵の勉強や、デザインの通信教育を受け始めます。
そして、ついにはデザイン学校に通うまでになりました。卒業後は、デザイン事務所に勤めることとなります。はたから見れば念願かなったようにみえます。しかし、本人はデザインではなく絵(イラスト)が描きたかったのです。社長に相談すると、「夜に絵を描けば」という返事。またもや、みんなが寝静まってからイラストを描くことに・・・。 |
現在のタッチが生まれた初期の作品 |
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制作中の佐藤さん& 作品とモデル |
幸い、そのイラストの仕事が成功し、結果として分社独立することとなります。イラストの会社スプーン設立がそれです。それ以降も、苦闘しながら佐藤さん独特の技法や世界を確立し、「今は天職を得た思い」と語ります。 |
記念対談の会場は・・・
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東大阪市民美術センター |
酒野晶子学芸員と対談する佐藤さん |
話を聞きたいと市の内外から駆けつけた人々は、噛みしめるように話される佐藤さんの言葉に耳を傾けていました。佐藤さんが好きな曲だという河島英五の生きてりゃいいさを歌われたとき、聴衆は感動に包まれました。 |
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「癒やされる」と、観客の声
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夏休み、子どもたちも多く来場しています。老若男女のどの人も、絵を見る顔がほころんでいます。備え付けのノートには、佐藤さんへの感謝の声がびっしりと書かれています。美術センターの人は、「みなさんお帰りになるとき笑顔です」と、話されていました。
東大阪市民をはじめ多くの人々に、感動と癒やしをプレゼントしてくれた夏の展覧会でした。 |
おもわずにっこり |
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佐藤さんは、トークの中で、「最近、こんな絵も描くようになったんです」とおっしゃっていました。サイがツエをついて、とぼとぼと歩いている絵です。佐藤さんのライフワークは、どのように発展していくのでしょうか。今後の創作活動にも興味が湧いてきます。
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<動画>佐藤邦雄さんの世界 |
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編集後記
東大阪の美術館でこれほど大きな展覧会が開催されることは、住民として大変うれしいことです。一度は見かけたことのある絵が一堂にずらりと並んだ展覧会場は壮観でした。作家のギャラリートークをきくと、ここまでの世界に到達するまでにかなりの紆余曲折があったとか。涙ながらに話す作者に誠実な人間味を感じさせてもらいました。失敗や挫折を繰り返しながら人生を歩んできた作者の言葉にならない思いを、作品の中の擬人化された動物たちが代弁しているようです。見る人の心を揺さぶる作品群でした。 M・織田
ルポ:楢よしき & M・織田
校正:駒たん
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