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2010年1月31日掲載
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商店街にコーヒーの香りが漂う
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▼ここは、近鉄瓢箪山駅からジンジャモール瓢箪山商店街を、南徒歩3分ほどにある『マウンテン』。
あたりに香ばしい匂いが漂う自家焙煎の店。10席ほどのカウンター席から、コーヒーを淹れる姿を見ることが出来る。
「いらっしゃい」と、気さくな会話から始まる。
焙煎の機械 |
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▼「まずは一杯」と、メニューを見てびっくり。専門店は高いというイメージが吹っ飛んだ。
▼店内でコーヒーを楽しむ客のほかに、焙煎豆を買っていく人が多い。
メニューが変わります
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「おじゃまします!」 店主を直撃取材! |
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▼美味しいわけを、オーナーの元井 健さんの話から探った。 |
1955年、奈良県に生まれる。 珈琲との付き合いは1977年(S52)のUCC上島珈琲入社から。
若くして独立を志し、1988年に四条町に『元井珈琲』を開店。 1993年にこの地に『マウンテン』と改名し移転。
現在は、13のチェーン店と2つの姉妹店を傘下にもつ。 最近、中国への進出も順調にすすむ。 |
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青年のころ猛烈営業マンとして活躍した元井さん。営業の能力に秀でてはいたが、お客さんに美味しいコーヒーを出すまでには、元井さんならではの、『こだわりの珈琲道』があるようだ。
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▼元井さんの真骨頂は、2000年から始めた現地買い付け。「電話で済ませられないの?」という人がいるそうだが、それには耳をかさず、毎年、地球の裏側のブラジルまで出かけている。
▼ コーヒー豆が育つ環境や、収穫後の処理などを自分の目で確かめたいとの強い思いから。
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ブラジルで農園主と(元井さん提供)
今年も、リオのカー二バルの時期を外して、3月
下旬に行く予定とか。 |
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▼しかし、もっとも大切にしているのが、現地の人に直接会ってお礼を言ったり、お願いしたりすること。
「良い豆を得るには、現地の人との信頼関係やコミュニケーションが基本」というやり方を守っている。 |
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農場での作業風景(元井さん提供)
同じコーヒー園でも、区画により豆に違いが出る。元井さんは、現地で見る目が養われたと語る。
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世界に通じる“舌”と“技術“
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▼今、日本はコーヒー豆の消費では、アメリカ、ドイツに次ぐ世界第三位になっている。元井さんは、世界的なコーヒー豆の品評会※の動向にも目を光らせる。
▼右の文書は、その審査基準の一部だ。たとえば、AFTERTASTE(あと味)の項目には、プラス評価として、スイート、きれいに消える、心地よく残るとあり、マイナス評価には、ビター、辛らつ、渋い、甘すぎる、汚い、不快、メタル系と書かれている。あと味を判定するとは大変なことだが、これは審査のほんの一部だから驚く。
▼このレベルでの仕事とは、大変な世界だ。
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※世界の代表的なコーヒー豆の取引機構。略称SCAA(スペシャリティー・コーヒー・アセスメント・アメリカ)。傘下に、日本のSCAJ などの各国の機構がある。
この機構が年に一度行う『カップ・オブ・エクセレンス』は、世界で一番大きなコーヒー豆の品評会。 |
(元井さん提供) |
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元井さんの勲章 |
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▼上記のSCAA機構には、もう一つ大きな世界大会がある。それが、WBC(ワールド・バリスタ・カップ)だ。
ワインにソムリエ大会があるように、コーヒーを淹れる技術や手際など、バリスタのパフォーマンスを競う大会だ。
3部門の総合力が問われる。(①エスプレッソ30cc②カプチーノ③創作料理)
▼2007年、日本でアジア初の大会があり、世界45カ国の強豪の中で、日本の宮崎みゆきさんがみごと4位となった。この競技会で、焙煎した特殊ブレンドのコーヒー豆を提供したのが元井さん。同じく、サイホン部門で日本一になった大藤史穂(おおとう・ふみほ)さんにも提供していた。
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▼世界的には、まだ焙煎についての基準も評価もない段階だが、元井さんはこれで自分の仕事への確信を深めたという。カーレースにたとえれば、レーサーを支えるメカニックといったところか。
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進化しつづける珈琲道
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▼今、元井さんの目は、新天地の中国に向いている。2007年に、元井さんの技術に目をつけた中国企業から、声がかかった。話はとんとん拍子に進み、2009年には北京活力珈琲有限公司(BeijingWholly Coffee Company Ltd 略称ウォーリー カフェ) の幹部として、2ヶ月に一度は中国に渡っている。
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总烘焙师 – 元井健先生
元井健先生1977年进入日本UCC咖啡,有幸深入接触到业界的内涵并于1982年独立,目前他在日本已经拥有15家店。自1990年元井先生亲自到巴西,哥伦比亚等咖啡产地与当地农场主直接交易,进行优质咖啡豆的采购。目前,他在巴西、哥伦比亚和印度尼西亚都有咖啡豆采购协议农场。
元井先生通过参加世界咖啡博览会,在全球咖啡原产地采购优质咖啡豆,他在常年咖啡豆烘焙事业中,积累的咖啡烘焙技术得到了业界的高度评价和认可,并用于咖啡专业学校的烘焙培训指导。
元井先生凭借其30多年的经验与知识为活力咖啡的发展注入了新的活力,并创建了WCOFFEE的品牌。
近年来,元井先生经营的山脉咖啡作为一家咖啡豆供应商曾为荣获2007年日本百端斯塔咖啡竞赛第一名优胜者,2007年世界百端斯塔锦标赛第四名以及卡布其诺咖啡制作组第一名优胜者提供咖啡豆。
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元井 健さん
← ウオーリーカフェ ホームページより
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▼このたび、この企業のバリスタが、元井さんの指導の下、北中国のバリスタ大会(CBC)で優勝を果たした。
今年4月には、上海で中国全土の決勝戦に臨む。元井さんは、その先の6月のロンドンでのWBC(ワールド・バリスタ・カップ)をも視野に入れているという。
ジンジャモール瓢箪山商店街の地図 ←クリック
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ブラジルの大地とコーヒー畑
(元井さん提供) |
取材を終えて
カウンター越しに話していると、他愛ない世間話が飛び交うが、ことコーヒーのことを質問すると、惜しげもなく蓄積された知識を教えてくれる。心からコーヒーを愛している人だ。
私は、モカ・マタリを頼んだ。その香りで幸福感が湧き、深い味わいに、雑念が払われて、精神が集中する感じがした。
勘定のとき、「ミルク無しは10円引きます」というではないか。ブラックは銘柄そのものの味がわかりますよ、というメッセージのようだ。
元井さんのところには、コーヒーについての相談が多く寄せられているという。真面目な相談には力になりたいと語る。
(TEL:0729-88-0626/FAX:0729-86-212)
元井さんのさらなる活躍を祈りたい。
レポート:楢よしき
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