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インタビュー そのY |
“時代屋武ちゃん 奮闘記” |
菊池武正 さん |
「時代屋 武ちゃんって!?」 わが東大阪では、知る人ぞ知るの有名人。
「どじょうすくい」から「皿回し」、「バナナの叩き売り」など、大道芸、伝統芸をひっさげて、地元はもちろん全国を駆け巡っている。
みんなの喜ぶ顔が大好きで、呼ばれたらどこへでも。日本ばかりか海外まで。
「ああ、あの人か!」という人も、「そんな人おるん?」という人も、“寄ってらっしゃい、見てらっしゃい!” |
生来の熱中人! |
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人呼んで、「時代屋 武ちゃん」。以降、本人の了解をもらって、武ちゃんと呼ばせてもらう。
九州は日向の国生まれ。取った資格は数知れず。「社会保険労務士」に「行政書士」・「宅建取引主任者」・「高校・中学教員免許」などなど。
ご愛嬌は、自転車運転許可笑まで・・・。
思い立ったらとことんやる。今度は、人を楽しませることに熱中し、もうだれにも止められない。 |
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素顔の菊池武正(66)さん。
宮崎県生まれ。
現住所は六万寺町。
桃谷高校から近大法科卒。繊維関係の会社に勤務。退職後は伝統芸・大道芸の道へ。 |
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安来市で“どじょうすくい”との出会い
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武ちゃんが この道に入ったきっかけはこんなこと。
同窓会の余興に、小さい頃兄がよく踊っていた「どじょうすくい」を思いついた。しかし、ここからが余人と違うところ。
武ちゃんは「同じ見せるなら、本物を」と、「安来節」の本場である島根県は安来市へと出かけていく。
そこで、「一宇川流」の家元、一宇川勤と出会う。
“どじょうすくい”は滑稽な中にも品を失うな、という正調安来節の世界に触れる。
「家元の芸と人柄に惚れた」とは武ちゃんの弁。
とうとう入門し、なんと、勤務のかたわら安来市に通うことにした。やるとなったら、苦労はいとわないのが武ちゃん流らしい。 |
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全国修行に旅立つ |
「どじょうすくい」の魅力にはまった武ちゃんは、修練を積み、ついに磨いた芸を披露する段に。しかし、ここから武ちゃんの真骨頂が発揮される。
退職を機に、「全国修行の旅」を宣言。2005年のことだ。名づけて「安来節全国放浪の旅」。
6月に軽ワゴンを駆って安来市をスタート。沖縄を除く、全都道府県を巡り、「どじょうすくい」を披露して回る。地元の人たちやマスコミに大受けとなる。
5ヵ月後、安来市に無事ゴールし、市長から「全国に安来節をPRしてもらった」とのねぎらいの言葉と感謝状をもらう。走破した距離1万3000キロ、150箇所で169回の公演をこなす。
中越地震の被災地では、「久しぶりに腹の底から笑えた」と喜んでもらったという。
度肝を抜く武ちゃんの行動力だが、ここからさらに、武ちゃんの進化は続く。
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真剣なまなざしで稽古をつける菊池さん |
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多彩な芸を次々にものにする
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武ちゃんの大道芸は、「ガマの油売り」「南京玉すだれ」「大道皿回し」「バナナの叩き売り」などなど。
次々に習得した技は、10を越える。
しかし、さらに磨きをかけたいと、2006年に、NACタレント養成スクールに通い始め、同タレントセンターの所属タレントとなって、タレント活動も始めた。
さらにさらに、今年の2008年から、東放エンターテインメントスクールに入学し、殺陣のレッスンに励むようになったという。殺陣といえば、チャンバラの立ちまわりだ。そのタフさには、ただただ脱帽。
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ホームグラウンドは四条リージョン
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稽古をつける武ちゃん。
この日入門したての20代のお嬢さん二人も度胸たっぷりに踊っている。会社の余興で活用するつもりらしい。 |
教室メンバーの奥から、丹野・岡本・中辻氏 手前は芦田さん。武ちゃんが若い新人に少し照れ気味のところに突っ込みが入り、みんな爆笑!
和気あいあいの雰囲気。 |
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武ちゃんの活動の拠点は、瓢箪山駅南の四条リージョン「やまなみプラザ」だ。ここで「どじょうすくい教室」と「かくし芸教室」を開いている。
取材した日、武ちゃんは、飛び込み入門した若い女性二人を含む三人に手ほどきをする。それを教室の古参のメンバーたちは温かく見守る。まるで兄弟子といった風情。
兄弟子といっても、それぞれは、習得した芸を生かし、各自がボランティア活動の一線で活躍しているベテランの人たちだ。
その中の一人、岡本博順(ひろのぶ)さんに聞いた。
和泉市在住。勤めのかたわら、隣りの岸和田市のボランティアの登録をし、老人ホームなどで踊りを披露している。新年の予約も入っているという。
武ちゃんについて、その芸の多さに感心しているという。指導は厳しくはなく、細かいところまでていねいに教えてくれるという。遠い所からの参加だが、武ちゃんの教室で「どじょうすくい」を極めたいと語った。
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メンバーの一人岡本さんの演技 |
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夢は「菊池屋一門」でボランティア
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一座を組んで、ボランティア活動で回るのが夢・・・と語る武ちゃん。
教室に参加するメンバーの技量はとても高いと見受けられた。 夢はそんなに遠くないうちに実現しそうだ。
「笑う門には福きたる」といい、笑いは元気の素という科学的根拠もあるという。 庶民ばかりが生きづらい世の中で、笑って「さあ、がんばろう」といきたいものだ。
あちらこちらで、みんなは、「菊池屋一門」と「時代屋 武ちゃん」が笑いと喜びを運んできてくれるのを待っていることだろう。
武ちゃんとメンバーの活躍に期待したい。 |
東大阪市民文化芸術祭で「日向ひょっとこ踊り」を披露するメンバー |
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「時代屋 武ちゃん」ホームページ
http://www.hct.zaq.ne.jp/cpaka301/
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藤原 通信員
楢 通信員 |
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