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2012年1月17日掲載
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※以下、写真をタッチすると変わります |
今回の鳩まめのオススメは、大変おいしいと評判の和菓子
の店。近鉄若江岩田駅を降り、通称「木村通り」商店街を南
に4分。 |
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雰囲気のいい町屋風のお店
が見えてきます。若江岩田で
創業して30年。その名は
『菓匠庵白穂』。
今は、若い二代目が継いでい
ます。店に入ってすぐに上生菓
子の“行列”に度肝を抜かれまし
た。これからお目にかかる二代
目の腕前とエネルギーを予感!
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どれも芸術作品のような上生菓子 |
店主は、和菓子界の若手実力派
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知人から「おいしい」「常連さんが
多い」との情報を得ての取材でしたが
、二代目店主新澤貴之(しんざわたかゆき)
さんの並々ならぬ実力を知らされるこ
とに・・・。
新澤さんは、東大阪で唯一「優秀和
菓子職」(全国和菓子協会)の認定保持者
だったのです。
最初に驚かされた、たくさんの上生
菓子は和菓子の講師として、見本に作
ったものでした。
「さぞお父さんに厳しく仕込まれた
ことでしょう?」とたずねると、「一
度も仕込まれたことがないんです」と
いう意外な答えが返ってきました。
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店主 新澤貴之さん |
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和菓子職・修行の道
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たくさんの認定の盾が・・・ |
高校時代、サッカー三昧だ
った新澤さん。父親から、東
京市川市の超有名な和菓子の
店「京山(きょうざん)」への弟
子入りを命じられます。
父親は早くから京山に働き
かけていたようです。
進路をまだ決めかねていた
新澤さんは、否も応もなく弟
子入りすることに。 |
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和菓子のことは何も知らない状態からの出発で、「多少
は苦労をした」といいます。修行仲間の競い合いの中、和菓
子作りへの意欲が高まっていきました。親方たちからは、和
菓子作りの“姿勢”を叩き込まれました。 |
そんな修行中に、お父さんが
亡くなるという突然の不幸に見
舞われます。京山の親方は、年
季に満たない新澤さんですが、
「京山の弟子」と認め、東大阪
へ送り出してくれたそうです。
そこから、新澤さんの奮闘が
始まります。「お父さんに仕込
まれていない」とは、そういう
事情があったからです。
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貴之さん開発の“白穂焼”
&父親の代からの“若江城もなか” |
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出展作品&練習作品
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父親の遺訓
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新澤さんは菓子職の先輩
から、父親が常々語ってい
たという言葉を聞かされま
した。その言葉とは「和菓
子は楽しく食べてほしい。
作る職人が、むずかしい顔
をしてたらあかん」という
もの。
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新澤さんはそれを、父親からの戒めとして心に刻んで
いるといいます。そんな新澤さんに「昔風の職人さん」
の雰囲気はなく、明るく気さくに実演の注文に応じてく
れました。
動画(2分47分) |
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味と安全・素材へのこだわり
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新澤さんはいい素材のためには遠くに出向くことも
いといません。「大変ですね」と問うと、「家族旅行
を兼ねることもあるんです」と、どこまでも自然体。
ことに、「あんこづくりは最もこだわるところ。こ
しあん・つぶあん・しろあんはすべて自家製です。 |
こしあんだけでも6種類
を数えます。それぞれに最
適な小豆の産地、品種を選
んでいます。“ちなみに砂糖
は外国産サトウキビ由来の
ものは使いません。新澤さ
んが使うのは北海道産のさ
とう大根由来のものや、四
国産サトウキビ「竹糖」が
原料の和三盆糖です。
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塩は「粟國の塩」卵は「純
植たまご」といって、エサを
植物性だけにした淡白な味の
ものを農家と契約しています。
素材に厳しくこだわり、製
品は、本格的な茶道用から子
ども向けキャラクターの和菓
子まで幅広く、若い感性と高
い技術が発揮されます。
「菓匠庵 白穂」はますま
す注目を浴びるでしょう。
レポート:楢よしき |
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