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2013年12月21日掲載
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肉の森田屋といえば、1968年(昭和43年)創業の有名店。
創業者は森田守也氏。現在、森田屋グループ店は、瓢箪山、額田、池島、八戸ノ里、石切そして住道駅前に店を構える。肉の専門技術を生かし、弁当やコロッケなども扱う。
今回の取材では、私たち庶民に人気の肉の森田屋の“コロッケ”に注目し、森田屋のコロッケ誕生の話などを聞かせてもらった。 |
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ここはサンロード瓢箪山商店街にある、肉の森田屋・瓢箪山店。
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店頭 & ウインドケース |
ウインドケースには驚くほどのバリエーションの肉が並び、職人さんたちが忙しく立ち働いている。
オーナー森田守也さん(72)の甥に当たる店長の畑博司さん(52)は、肉には自信をもっていると胸をはる。 |
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畑さんは、伊藤ハムの食肉技術学校に入学して鍛えられ、25歳で森田屋に入社してからは、オーナーや女将(おかみ)から厳しく仕込まれたという。
長年の修業に裏づけられた目と腕がものをいう世界のようだ。
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忙しく立ち働く職人さんたち |
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庶民の味方 コロッケ!
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瓢箪山店の店頭風景 & ずらりと並ぶコロッケやフライ |
やはり、コロッケ・フライは大人気 |
今回の取材の目的である人気のコロッケやフライが店頭に沢山ならんでいる。お客さんもひっきりなしの状態。ところが、畑さんは、コロッケに関しては「女将さんに聞いてほしい」という。どういうことだろう・・・?。畑さんに紹介してもらって池島店に出向くことに。 |
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新池島に“コロッケ工房”があった
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肉の森田屋・池島店 & コロッケ工房 |
池島店 & 店内 |
新池島ポンプ場の南に池島店があった。そしてその隣に肉の森田屋コロッケ工房の建物を見つけた。グループ店のコロッケを一括して作っている工房だった!
女将さんの森田克子さん(72歳)にお会いして、話をうかがうことにした。 |
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女将さんの秘伝の味
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出てこられた女将さんの華やかな雰囲気にびっくり。細うで繁盛記の新珠三千代さんをふと思い出す。 |
この工房では、コロッケなどの揚げ物と、弁当の具を一手に製造しているという。陣頭指揮をとるのは女将の克子さん。材料は、ジャガイモ、牛すじ、タマネギを独自にブレンドし、秘伝の味をプラスする。この秘密は、当然、教えてもらえなかった。肉の森田屋のコロッケの味は、女将さんが一手に握っていた。 |
女将の森田克子さん |
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コロッケ誕生
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肉の森田屋がコロッケなどの揚げ物や弁当を扱うようになったのは、女将の克子さんが嫁入りしてからのこと。克子さんが肉屋の将来性を考えて、オーナーのご主人に進言して実現させた。 |
幼い頃、布施で育った克子さんには、有名洋食店のコロッケの懐かしい味の思い出があった。事業を進めるにあたって、あの美味しさにひけをとらないコロッケを、手軽に味わってもらいたいという想いが湧いたという。幼いころの舌の記憶をたどりながら、試行錯誤をくりかえし、今の味にたどり着いた。 |
事務所にて |
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コロッケは“揚げ”が命
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お客さんの注文を聞いてから揚げる |
しかし、いくら丹精につくっても、揚げ方一つで風味を損ねてしまうのがコロッケ。女将さんは、各店がコロッケやフライを揚げる技術にも目を光らせている。コロッケとトンカツでは、油の適温がちがうことや、余熱を考えて揚げること、袋への詰め方にまで心を配るよう指示している。 |
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味の研究は今も続いている。味つけは夏と冬で微妙に変え、時代による好みの変化や多様化にも対応している。オーナーの守也さんも味のチェックは欠かさないという。最近は、チーズコロッケに人気があるとか。女将さんは、おやつ感覚やビールのつまみとして食べられるのだろうと予想する。
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コロッケ工房にて |
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弁当のサンプル(一部) |
ご主人を支え、人気のラグビー弁当やレディース弁当などのアイデアを次々と生み出し、商才を発揮する女将さんだが、経歴を聞いて納得した。
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池島店の店先 |
結婚前は、大丸百貨店に勤め、服の販売担当のかたわら、重役会議の会食の準備やお世話をしていたという。今で言うところのキャリアウーマンだったのだ。
そして、そこで叩き込まれた社訓の先義後利※が女将さんの心に刻まれ、今も肉の森田屋のコロッケに生きている。 |
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コロッケ工房では、加工中に防腐剤は一切使わない。そのため、品質の保証ができないところには卸さない。遠距離の出店も自粛している。女将さんの言葉から、お客さんを大切にする品質維持への思いを強く感じた。昨今の悪しき風潮にうんざりしている心に、一陣の風が吹いた思いだ。
ルポ:F・鳩村 & Y・楢 |
コロッケ工房 清潔がモットー |
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※「先義後利(せんぎこうり)」
元文元年(1736年)、業祖・下村彦右衛門によって「先義而後利者栄」を事業の根本理念として定める。中国の儒学の祖の一人、荀子の栄辱編の中にある「義を先にして利を後にする者は栄える」から。企業の利益は、お客様・社会への義を貫き、信頼を得ることでもたらされるとの意味で、言い換えると「お客様第一主義」「社会への貢献」となる。大丸グループ共通の精神、営業方針の根本となってきた。 DAIMARU ホームページより |
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