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2014年6月29日掲載
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花園店(本店) & 生駒山を眺望 |
花園創菓庵「松一」は、郷土にちなんだ銘菓があることで知られます。大和川の付け替えで、今米村の庄屋、中甚兵衛(なか・じんべえ)が大きな貢献をしました。その偉業を称え、のちのちまで伝えようとの思いを菓子づくりに込めています。 |
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42年前創業の「松一」は、旧大和川の支流吉田川の土手跡に本店を構え、支流菱江川の川すじ跡に稲葉店が建っています。いずれも大和川の付け替えで新しく生まれた土地で、因縁を感じさせる逸話です。 |
開店20年になる稲葉店(桜通り筋) |
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花園創菓庵「松一」の包装紙に説明を加筆 & 古地図 上が北 |
二代目 藤本英人さん |
店主は、二代目藤本英人(ひでひと)さん。地元小・中学校を経て、菓子職人目指して食産高校に学びました。
創業者、英孝(ひでたか)さんの直接指導をうけて研鑽にはげみ、今では「松一」の大黒柱。地域密着で、人々のニーズに応えながらも、日本の伝統や季節感を発信してゆきたいと抱負を語ります。 |
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中甚兵衛にちなんだ銘菓は2種揃えられています。
粒餡の郷土銘菓「河内甚兵衛」(かわちじんべえ)。
大粒の栗が入った郷土銘菓「河内扇」(かわちおうぎ)。 |
銘菓「河内甚兵衛」 & 銘菓「河内扇」 |
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銘菓「河内甚兵衛」 & 大粒大納言
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銘菓「河内甚兵衛」は、表面に粒のあずきが浮き出て見える珍しい景色。聞いてみると、薄焼きの技術が難しく、簡単にまねできないといいます。先代が師匠から受け継いだ技が二代目に引き継がれています。あずきは北海道産大納言で、2.3上(にいてんさんがみ)という手選りの大粒。
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丹波大栗を桃山餡(ももやまあん)で包んで焼き上げた銘菓「河内扇」。桃山餡についてたずねました。白い手亡豆(てぼうまめ)で餡をつくり、そこに卵の黄身を入れて練り上げ、時間をかけてコトコト炊いた本格仕上げ。 |
銘菓「河内扇」 & 大きな栗 |
銘菓「トライくん」 & 抹茶餡
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ラグビーの町東大阪にちなんでつくられたのが銘菓「トライくん」。「ラグビーの饅頭を土産に」と、名指しで注文をうけるとか。餡は緑の抹茶餡。ラグビー場の芝生の緑をあらわしています。 |
夏に向かうこの時期、涼しげな「水まんじゅう」や「葛きり」が目をひきます。「松一」では季節感を大事にと、その季節ならではの和菓子も多種類つくっています。「いちご大福」もそのひとつ。お客さんから、「もう終わったの・・・」と、残念がられることがあるようです。 |
季節菓子「水まんじゅう」 & 銘菓「あゆ」 |
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二代目藤本英人さん 創業の藤本英孝さん |
本店の厨房で、先代と二代目にお会いしました。先代は、四国今治を振り出しに京都、大阪と修業を重ねた熟練の職人さん。中学校で河内の偉人中甚兵衛を学んでいたことが銘菓誕生のきっかけになったそうです。二人の息のあった仕事ぶりをみせてもらいました。 |
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<動画> 花園創菓庵「松一」 銘菓「あゆ」づくり |
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