2009年3月20日掲載
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恩智川治水緑地で自然保護と原風景の再生に取り組む「池島・福万寺カワセミ楽会」(堀江洋子代表)は、先日、この地でハヤブサのつがいが営巣(巣作り)している可能性に触れた。
ハヤブサのつがいが共同行動をとっており、これが巣作りや、繁殖の成功へとつながることに期待がふくらんでいる。念願がかなえば、大阪府下でも大変貴重な例となる。 |
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巣作りの可能性が指摘されたのは、去る3月8日(日)、池島高校の一室で行われた「池島・知っタカ観察会」(カワセミ楽会主催)の席でのことだった。
いままで、一部の関係者は池島・福万寺周辺でハヤブサが単独で狩りをしていることはわかっていた。
しかし、今回は、つがいで行動していることを確認し、決定的瞬間を収めた写真が示された。そこには、共同行動するハヤブサが写っている。参加者たちは、食い入るように見つめていた。(写真左:カワセミ楽会員撮影)
説明するのは、この日、「タカの識別と生態」の講師に招請された田中豊成さん(日本野鳥の会三重支部・伊賀自然の会) (写真下:講演風景)
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ハヤブサはこんな鳥
ハヤブサは速く飛ぶというのは、みなさんご存知のこと。狩りの時には時速200キロから300キロを出し、地球上で最も早く移動できる生物といわれる。
高い上空や崖の上から獲物を狙い、急降下して強い足でけり落とす。そんなダイナミックな狩りのやり方は、ハヤブサ独特のようだ。
雄の体長は40センチぐらいで、雌はそれより大きいという。
環境省の「鳥類レッドリスト」では、ハヤブサは、絶滅危惧U類に指定されている。
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写真提供:カワセミ楽会 |
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講演のあと、参加者は野外に出て野鳥の観察をおこなった。その場でもハヤブサが二羽いることが確認された。
ハヤブサは、生態系の頂点に立つ猛禽類で、自然の豊かさを計るバロメーターだ。この池島・福万寺にある恩智川治水緑地や周辺に広がる田畑が、彼らが生き抜くうえでの条件になっているのだろう。
ハヤブサたちには、この土地でヒナを立派に育てあげてほしいと思う。
東大阪の宝物がまた一つ増えるのが楽しみだ。静かに見守りたい。
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恩智川治水緑地 手前は通称「中ノ島」 |
取材を終えて
今回、野鳥のことを学ぶために「池島・知っタカ観察会」に参加したが、いろいろな野鳥を観察することができ、大変貴重な時間を過ごさせてもらった。
ことに、ハヤブサを観察し、巣作りの夢が広がっているのを知ることができ、その成功を祈らずにはいられない。
ハヤブサは非常に神経質な鳥だそうで、関係者の努力だけでなく、私たち市民が節度をもって見守ることが大切なようだ。
わが町東大阪で、野生との共生をぜひ実現したい。
レポート:楢 よしき
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