今どうなってるの?!東大阪
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 2016年9月10日掲載
                                   
 
  東大阪のものづくり現場から元気がでる話を取材しました。起業1年の藤綱合金
の話題です。東大阪のものづくりの世界では有名だった上田合金。しかし、昨年に名
物社長の上田富雄氏が急逝。会社は廃業の道へ。
 そこで立ち上がった従業員有志。「上田合金復活プロジェクト」を立ち上げ、技術と
志を受け継ごうとします。昨年10月に開業した藤綱合金がその結実。
 起業1年を迎える工場を見学させてもらいました。

   
                    目次
 

     
①藤綱合金・起業1周年を迎える
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      ②作業風景を見学←ジャンプ
          
         動画 代表藤綱伸晴さんに聞く  動画 藤綱合金 遺志を受け継ぐ
             
      大きな声援に励まされ←ジャンプ
     
            

   
 
 
起業1周年を迎える藤綱合金  パン工 




藤綱合金

 高井田は東大阪の典型的な町工場地帯です。
 そこで操業するのが、
藤綱合金(代表:藤綱伸晴さん35歳)。仕事は、銅合金の鋳造業です。この町工場の中では、汗まみれになりながらものづくりに取り組む姿が見られます。
 この藤綱合金を立ち上げたのは一年前の10月。もうすぐ満一年となります。30歳台の若者を中心に、一からものづくりの会社を立ち上げるのはきわめて珍しいこと。そのきっかけは、勤めていた会社が廃業となったことです。
工場内

   大鏡の前で故上田社長 & ポスター
 その会社とは、東大阪のものづくりの世界ではよく知られた上田合金。社長の上田富雄さんは、東大阪モノづくり大賞や大阪の優秀技能賞に輝いた人物。
 社業以外にも古代の銅鏡
(どうきょう)・銅鐸(どうたく)の復元に取り組み成功させました。また、修学旅行生の見学先を引き受けるなど、社会貢献にも力を入れてきました。
.
 その東大阪の名物社長が昨年1月に急逝し、2月に廃業となったのです。

 このとき、上田社長のものづくりの技術や志を受け継ぎたいと立ち上がった人々がいました。当時工場長代理の藤綱伸晴さんや、ベテランの大西健仁さんそれに、同業の宗廣直之さんを加えた三人で、“上田合金復活プロジェクト”を立ち上げました。
工場内


上田合金当時の賞状 & 思い出の写真
 寄付や融資で高額な溶解炉の費用をまかなうことができ、昨年10月、晴れてこの高井田の地で開業にこぎつけました。規模こそ小さくなりましたが、故上田社長の思いがそっくり移ってきたような雰囲気の工場です。


 開業してまる一年を迎えようとする工場内は、溶解炉が音を立てて炎を噴き上げています。
 率先して働いておられる代表の藤綱さんに、話をお聞きしました。

藤綱代表


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②作業風景を見学



可傾式ガス溶解炉 & 噴き出す炎
 鋳物には鋳型(いがた)が必要です。鋳型の元となる模型には木製、金属製、プラスチック製などがあり、これは注文主から送られてきます。模型を特殊な砂に写し取り鋳型とします。そこに溶けた銅合金を流しこむのです。
模型の例(木製)

特殊な砂で鋳型をつくる ①

溶解炉から溶けた銅合金を取り出す ②

溶けた銅合金を流し込む(鋳込み) ③

冷えたら鋳型から取り出す ④

安定した腰で作業(鋳込み)
 一連の作業を見せてもらう中で浮かんできた言葉は、器用、繊細、熱い、危険、手際よさなど。作業全体で高い集中力とチームワークが必要と感じました。素人の感想ですが、鋳型から取り出すときは、陶芸家の不安と喜びに近いものがあるのでは、と思いました。


<動画> 藤綱合金 上田富雄氏の遺志を継ぐ


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 大きな声援に励まされ 




レプリカの銅鏡を磨く
 鋳型づくりや鋳込み作業のかたわら、もくもくと研磨作業を続ける男性がおられました。代表の父親の藤綱良武さんです
 支援者へのお礼の品となるレプリカの銅鏡を磨いておられるところでした。上田合金の銅鏡・銅鐸の復元技術が継承されていました。
 
 上田社長とも昵懇(じっこん)の間柄だった良武さんは、息子の入社のきっかけをつくっています。そして、もともとこの場所は、修学旅行生の体験学習をおこなう“上田工房”として利用されていました。このような所で“上田合金復活プロジェクト”が結実したことに、因縁のようなものを感じます。
支援にお礼の銅鏡・銅鐸のレプリカ


家族にも支えられて
 良武さんは、地元高井田育ちで上田社長とも親しかった妻の容子さんとともに、息子たちのものづくりへの挑戦を心から応援します。多くの支援者や家族からの声援は、伸晴代表と働く方々の励みとなります。

父親の藤綱良武さん  宗廣直之さん  代表の藤綱伸晴さん   森成弘さん  工場長の大西健仁さん
 
 昨年の11月、大型商業施設
“フレスポ長田”で、モノづくり体験教室がおこなわれました。
    フレスポ長田 スマイルアクション企画  宮本順三記念館おまけ文化の会と藤綱合金が協力
 そこに「溶解メタル」のブースを出したのが開業間もない藤綱合金のみなさん。子どもたちは大喜びでした。来月の10月23日(日)には“フレスポ長田”にてふたたび「溶解メタル」のブースが登場します。

 故上田社長の社会貢献を大事にする志が、しっかりと受け継がれているように感じます。
 
 ものづくりの町東大阪で、新たに力強く歩みだした人々に大きなエールを送りたいものです。

フレスポ長田での「モノづくり体験教室」 写真2枚


地図
         

   
       
藤綱合金 

所在地 〒577-0066
東大阪市高井田本通1-6-3
電話FAX 06-6782-8892
取扱
素材
青銅鋳物、リン青銅鋳物
 鉛青銅鋳物など
設備 可傾式ガス溶解炉 200Kg
営業
時間
8:00~17:00
定休日 日・祝日
E-mail fujitsunagokin@gmail.com

  

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    ルポ Y.岡本  楢よしき  校正:駒 

 
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