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ふるさと東大阪2016年2月10日掲載





 今回の取材では、二人の人間国宝(重要無形文化財保持者)の作品に触れるこ
とができました。ところは、東大阪市民美術センターで開催中の企画展です。
  一人は陶芸家の
濱田庄司(はまだ しょうじ)、もう一人は、染色工芸家の芹沢銈介(せりざわ けいすけ)
 いずれも、大正末期に始まった「民藝運動」
(以降民芸)に参加した巨匠です。
展示期間は2月6日(土)から3月5日(土)
まで。学芸員の酒野晶子さんに案内して
いただきました。
                       
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貴重な作品群が東大阪に 民芸運動の二人の巨匠
濱田庄司氏 陶芸の世界 芹沢銈介氏 型絵染の世界
心のままに鑑賞を (案内) <動画>濱田・芹沢展



貴重な作品群が東大阪に


大皿作品に見入る鑑賞者
 
 東大阪市民美術センターでは、過去に陶芸家の河井寛次郎氏や版画家の棟方志功氏の作品展を手がけました。


 今回、大阪日本民芸館の協力を得て、濱田庄司芹沢銈介両氏を中心に、芹沢銈介氏ゆかりの作家の作品もまじえて展示されています。多くのすばらしい作品を、身近に鑑賞できる絶好の機会といえます。


公益財団法人大阪日本民芸館←クリック

東大阪市民美術センター

濱田庄司氏作品(計122点) 芹沢銈介氏作品(計46点)
大鉢9点・茶碗10点・壷6点・花瓶6点
香合5点・蓋物4点・その他
軸2点・屏風5点・着物6点・暖簾6点
硝子絵4点・板絵6点・型絵染額7点
絵本等7点・その他
        ※合計176点 芹沢銈介氏ゆかりの作家作品(8点)
着物4点・シルクスクリーン染布2点
絞り染布1点・注染布1点
                              
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民芸運動の二人の巨匠



 大正末期に興った「民芸運動」は、宗教哲学者の柳宗悦(やなぎ むねよし)が提唱し、多くの作家が共鳴して参加しました。無名の職人達が生み出した“日常の道具”に美を見出そうとするものです。
 
陶芸家 濱田庄司氏 染色工芸家 芹沢銈介氏
 
 当時、外国ものがもてはやされる風潮の中で、日本の伝統的な日用品の価値を認め、その技術を高めようとする運動でした。今にしてこの運動は、日本の民俗工芸を存続発展させる土台になったものと考えられます。
 この民芸運動に加わって、優れた技により人間国宝と認められたのが濱田・芹沢両氏です。
                                    
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               濱田庄司氏 陶芸の世界
                (1894~1978)


掛合釉扁壷
 濱田氏は、神奈川県生まれ。東京高等工業学校(現東京工大)窯業科卒業後、京都市陶磁器試験場に入所します。ここで、学校の先輩である河井寛次郎とともに釉薬の研究に没頭します。
 この頃、民芸運動の提唱者
柳宗悦富本憲吉バーナード・リーチとも親交を深めます。

黒釉柿流描大皿

柿釉抜絵コーヒー茶碗(左)  鉄絵コーヒー茶碗(右)
 バーナード・リーチの帰国に同行し、イギリスで活発な作陶活動をおこないました。その後日本に帰国し、沖縄・壷屋窯で学び、最終的に益子焼きの地、栃木県益子町に濱田窯をすえることになります。
                    
 終戦後、工芸技術部門陶芸民芸陶器の部門で人間国宝の認定を受け、また、紫綬褒章や文化勲章も受章されます。
 日本民芸館館長であった柳宗悦が亡くなると、二代目館長に就任し、民芸運動の興隆に貢献しました。

 氏の作品は、生活に根ざした健やかで堅実な作風と高く評価されています。

海鼠釉(なまこゆう)文押花瓶

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        芹沢銈介氏 型紙染の世界

                (1895~1984)


型絵染の着物       丸紋伊呂波屏風

天の字のれん
 芹沢氏は静岡県生まれ。濱田氏と同じ東京高等工業学校で学びます。専攻は図案科でした。
 柳宗悦の論文
「工芸の道」に感銘を受け、また沖縄の紅型(びんがた)に魅了されたことから染色家をめざすことになります。柳氏や濱田氏とは交流を深めたようです。

 芹沢氏は、紙型を用いた型絵染(かたえぞめ)という独特の技法を開拓しました。
 また、制作活動と並行して多摩美術大学や女子美術大学の教授を務め、後進の指導に当たりました。

型絵染めは手描きと違い、線がくっきり(沖縄みやげ屏風の部分)

微笑観音像(手描き)
 芹沢氏の制作分野は、着物、屏風、暖簾を中心に、本の装丁、ガラス絵、建築物の装飾など多岐にわたります。
 1956年に型絵染の技術保持者として人間国宝に認定されました。また、紫綬褒章などの叙勲も受けています。フランス政府からは芸術文化功労賞が贈られました。
 氏の作品は、斬新なデザインと美しい色彩によって高い評価を受けています。


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心のままに鑑賞を

 酒野学芸員は、鑑賞の姿勢として、理屈抜きにまず作品を見て感じてほしいと話します。大皿の迫力や絵模様のシャープさを体感することができます。みなさん、またとないチャンスです。ぜひ、東大阪市民美術センターに足をお運びください。


東大阪市民美術センター
〒578-0924東大阪市吉田6丁目7-22
℡:072・964・1313
    <開催期間>

2016年2月6日(土)~3月5日(土)

   <ギャラリートーク>
日時:2月13日(土)午後2時~2時30分
講師:小野絢子氏(大阪日本民芸館学芸員)
      
※申込不要 入場料は必要
   
   <ご利用について>

開館時間:午前10時から午後5時
       
入館は4時30分まで
休館日:毎週月曜日
入場料:一般500円
    
 ただし、中学生以下、65歳以上
     障害者手帳など持参の方は無料



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<動画> 濱田庄司と芹沢圭介 作品展
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    ルポ:楢よしき  校正:駒
協力:公益財団法人東大阪市文化振興協会  参考:作品展チラシ 展示パネル
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