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ふるさと東大阪2016年2月16日掲載





 
“絵具のホルベイン”と聞けば、多くの人が知っている絵具のトップメーカー。外国
のメーカーだと思っている人が結構おられます。しかし、正真正銘の日本企業で、し
かも東大阪に大いに縁のある会社なのです。
 正式名称は、
ホルベイン工業株式会社(川見良夫社長)。前身は、明治に大阪で
画材卸問屋として創業し、大正期には小阪地域に工場を建設し製造に乗り出しまし
た。現在は、本社が大阪市中央区にあり、小阪工場、枚岡工場、奈良工場を擁して
います。このたび、
枚岡工場の見学を許可いただいたので、ふたりの画家とともに
取材に出かけました。

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製造と研究の拠点 革新技術で新製品
ギャラリー 訪問 絵画文化裾野げる
<動画>絵具ホルベイン訪問 ホルベインホームページ



製造と研究の拠点




ホルベイン工業株式会社 枚岡工場の研究室


生駒山が間近な枚岡工場
 縄手南中学校の近くにあるのがホルベイン工業株式会社枚岡工場。東には生駒山系が間近に見えます。
 ここには開発の心臓部となる研究室があり、また、研修者や見学者を受け入れるセミナー室もあります。常務取締役の
小杉弘明さんに案内をお願いしました。


  今回の取材には、絵具に縁のあるお二人の画家に同行していただくことに。
 六万寺在住の
小林正輝さん。ホルベインはよくご存知です。もうお一人は、五条町在住の阪口真智子さんです。

阪口真智子氏

小林正輝氏

 まず小杉さんにお聞きしたのは社名のこと。ホルベインというのはドイツ・ルネッサンス期の代表的な画家、ハンス・ホルベイン(ホルバイン)に由来するということです。


小杉弘明さん & 説明を受ける鳩まめ関係者
 小杉さんは、私たちに材料の実物を紹介しながら、絵具・顔料について丁寧に解説してゆかれます。二人の画家さんの質問もあって、私たちの理解は大いに進みました。
 10人以上のグループであれば、事前申込で「大人の工場見学」ができるそうです。
 説明を受けて、絵具や顔料についてのこれまでの知識が一新されました。ラピスラズリの原石などの実物に触れることもできて、感動の体験です。

ラピスラズリの原石
                              
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革新技術で新製品




研究室  &   検査室
 
 説明のあと、小杉さんに製造現場と研究室を案内していただきました。研究室に入るときは緊張しました。ホルベインの新しい技術により、プロ用の高品位油絵具が開発されたとのこと。



研究室内のようす  A&B
 産業革命以降、たくさんの合成顔料が作られる様になりましたが、中には性能の低いものもありました。その為に、近代の作品でも、ルネサンス期やそれ以前の絵より色褪せしやすい作品もあった様です。
 
 最近では、合成顔料も長足の進化を遂げています。そうした優れた合成顔料や天然顔料を厳選し、研究開発したのが
油絵具ヴェルネ(VERNET)です。画期的な新製品がこの研究室で生まれました。
 ここではまた、画家の声を生かした製品開発や、東京芸術大学・近畿大学理工学部などとの
産学共同の開発が、意欲的に進められています。

 私たちは検査室などの研究の中枢部に入室させてもらい、説明を聞くことができました。開かれた企業だなという印象を受けます。モノづくりの町東大阪で、すばらしい技術をもつ企業の現場を体験することができ、見学の一同は大満足です。
工場内のようす  A&B

     ホルベイン工業枚岡工場 地図
 説明の中で、小杉さんがホルベインギャラリーに言及されました。上本町の本社にあるというのです。さっそくそこも見学させてもらうことにして、後日うかがいました。
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ギャラリー訪問
          



ホルベインギャラリーの入り口
 近鉄上本町駅から歩いて数分。中央区上汐にホルベイン株式会社の本社がありました。ホルベイン工業ホルベイン画材のグループを統括しています。
 ビルの一階にホルベインギャラリーがありました。
 ちょうど、
全日本画材協議会(川見良夫会長)主催の第1回jam公募展”の優秀作品が展示されているところでした。

ホルベイン株式会社本社社屋

日本画材協議会事務局 森本英児さん

 同協議会の事務局を務め、ホルベインのカスタマーセンターの森本英児さんに話を伺いました。
 今回の応募展は、多くの画家たちの励みとなるよう協会員が共同で立ち上げた企画です。
 ここを出発点にして展示会は全国を回ります。
                    
 テーマは“地元風景”。300を越える応募作品から選ばれた51点を展示中。さすがに秀品ぞろいで圧倒的な迫力です。
 このギャラリーは、ホルベインが主催する各種作品展や貸画廊にも利用されています。

ホルベインギャラリー 中央は前出の小杉さん

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    絵画文化の裾野を広げる



吉村信夫会長
 この会場において、幸運にも、ホルベイン株式会社会長の吉村信夫さんにお目にかかることができました。吉村会長は、「絵画文化の振興や、若い画家への支援も、ホルベインの使命と考えている」と、語られます。
 ギャラリーの上階には、広い教室があります。ここでは主に初心者むけの絵の講座やワークショップがおこなわれています。また、京都・大阪など野外で、ホルベイン主催のスケッチ会や作品のアートコンテストも実施されているそうです。 
ギャラリー上階にある教室


ハンス・ホルベインのレリーフ
 ホルベインはまた、絵画に関する総合リンクサイトも運営します。その名は、ホルベイン・アーチストナビ。日本だけでなく世界の美術情報が入手できます。若手作家のITでの情報発信の手助けもしています。

      
ホルベイン・アーチストナビ←クリック

 特筆すべきは、「ホルベイン・スカラシップ」です。簡単に言えば、若い画家への奨学制度1年に20名の奨学生を選考し、1人あたり年間総額50万円相当の油絵具、アクリル絵具など、さまざまなホルベイン製品を無償で提供するというものです。
                     

 このスカラーシップは、1985年から開始されており、これまでの奨学生は1000人を超えるようです。画家をめざす若い人は挑戦してみてはいかがでしょう。    ホルベイン・スカラシップ ←クリック

 “優れた企業は人を育てる”といいます。絵具をつくるモノづくりの企業が、文化の担い手を育てている様子を垣間見ることができました。

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<動画> 絵具のホルベイン訪問





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    ルポ: 鳩村富美男 R・駒 楢よしき 
協力:阪口真智子 小林正輝   校正:駒
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