2017年4月28日掲載
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モノづくりの街東大阪で、地元の製造業の歴史や企業の沿革を調査・記録している団体がある。今までにありそうでなかった活動に挑戦しているのが、2013年に発足した“工場を記録する会”だ。その活動のようすを取材した。
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工場を記録する会(岡本好行会長)の企画で実現した長寿企業対談(於:大阪商業大学) |
大阪商業大学 |
さる3月23日(木)、大阪商業大学の商業史博物館・会議室において、モノづくり長寿企業のビッグ対談が実現。どちらも100年近くの操業実績を誇るレッキス工業株式会社とフジ矢株式会社のトップ同士の顔合せです。 |
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レッキス工業は配管工具の老舗メーカーで、フジ矢はペンチ・ニッパなどの工具の老舗メーカー。どちらも国内市場のみならず海外へも積極的に進出しています。
対談を企画した工場を記録する会(岡本好行会長)が、両社の協力を得て、念願の対談を実現させました。 |
レッキス工業株式会社 宮川純一社長 |
フジ矢株式会社 野﨑恭伸社長 |
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激しい競争の中、企業経営を継続するには、技術革新とあいまって確固とした経営理念が求められます。長寿企業の対談から、その貴重な教訓が読み取れます。 |
<動画>モノづくり長寿企業対談 レッキス工業&フジ矢
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②工場を記録する会とは?
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「工場を記録する会」定例会にて |
ある日の定例会 |
この対談を実現させた「工場を記録する会」(以降「会」)を取材しました。「会」の発足は2013年3月。モノづくりの街東大阪にある工場の今と昔を記録に残そうと、岡本好行さん、小澤豊彦さん、羽尻勇さんの3人から始め、会員は倍以上に。さらに顧問として成瀬俊彦氏、飛田太一郎氏を迎え、活動はさらに充実しています。 |
「会」は、河内郷土文化サークルセンターに加盟し、大阪商業大学谷岡記念館の一室で活動します。 |
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実現した対談 |
今回の対談にいたるまでに、「会」は、2015年9月に「東大阪市内製造業長寿企業調査」を実施するなど、ほぼ1年の準備をおこなってきました。
このほか、「会」のこれまでの取り組みの主なものを、以下に紹介します。
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③東大阪のモノづくりを発信
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写真展「高井田の工場を記録する」
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展示物の一部 |
「会」は、市の地域まちづくり活動助成金の補助や、商工会議所等の支援を受けながら、調査・広報活動をおこなってきました。工場集積地の高井田の工場を聴き取り調査し、それをもとに布施の夢広場で写真展「高井田の工場を記録する」を開催。市民に“モノづくり東大阪”をアピールしました。2015年9月のことです。 |
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東大阪モノづくり長寿企業展 |
東大阪モノづくり長寿企業展 |
次いで2016年5月には、先述の長寿企業調査をふまえ、大阪商業大学の商業史博物館において、企画展「東大阪モノづくり長寿企業 緩やかな成長と革新の継続」を開催。シンポジウム「モノづくり長寿企業に学ぶ」では、「会」としても貴重な知見を得たようです。 |
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2週間の展示期間中には、学生・市民等の多くの見学者を迎えました。 |
ホームページのトップ |
2016年の6月からは「会」のホームページを立ち上げ、今年の2月までに11社の創業からの経営革新などを記録しています。「会」のホームページは、東大阪の工場を知らせるアーカイブとなっています。
工場を記録する会ホームページ←クリック |
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今年の10月6日から8日の三日間、全国規模の「日本中小企業学会」が大阪商業大学を会場にして開催されます。「会」は、ここで特別展示をおこないます。4月20日の定例会では、作業班(写真班、文献・調査報告書収集班、訪問班)を編成する論議がおこなわれていました。 |
工場を記録する会 定例会 |
工場を記録する会 岡本好行会長 |
このように、充実した活動を続ける「会」ですが、その最終目標があります。それは、「東大阪工場ミュージアム」を実現させる遠大な構想です。そこでは、地域産業の歴史と企業活動の軌跡が保存・展示され、情報発信と教育・交流の拠点としての機能が期待されます。モノづくりの街東大阪を一層活性化する待望のアイデア。「会」の周りに多くの賛同の輪が広がることを期待します。 |
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工場を記録する会 |
活動
場所
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大阪商業大学谷岡記念館
河内の郷土文化サークル
センター室 |
連絡 |
090-6674-1378(岡本)
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例会
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週は不定期(木曜日) |
会費 |
年会費1000円
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ルポ:楢よしき 協力:工場を記録する会 校正:駒
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