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2018年5月15日掲載
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写真:芳原和夫 |
頻繁に奈良の山奥へ行く人があるとききました。それも20年近
くにわたって。直線距離でも30キロメートルはあるところを週2回以
上。車を使うからといえ、尋常ではありません。今年で73歳のその
方は、かくしゃくとして、また嬉々として通われています。いったいど
こへ何をしにいかれるのか??詳しい話を聞かせてもらいました。 |
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東大阪から里山へ通い続けて20年近く
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三谷集落 写真:日々彩々U emirin さんブログより←クリック |
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写真は、奈良県
桜井市の三谷地
区。十数戸の山村
。標高は500
メートルで、生駒
山の府民の森の
高さにあります。
ここに18年間
毎週2回以上通っ
ているのが今回登
場する方です。
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奈良県桜井市三谷地区に通う芳原和夫さん |
その方とは、瓢箪山駅近く本
町在住の芳原和夫さん(73歳)。
地元縄手小・縄手北小・縄手
中学校から高津高校へ。大学
は大阪工業大学電気工学科に
進学。就職はオンキョー株式会
社。定年まで勤め上げました。
テレビやオーディオ機器の品
質管理が主な仕事でした。 |
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三谷の里山 写真:芳原和夫 |
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そんな芳原さんが三谷という
山村へ頻繁に通われるきっか
けは何だったのでしょう。
今から19年前、芳原さんが
55歳のころにさかのぼります。
当時、趣味でそば打ちを始めた
芳原さん。一家で桜井市の笠山
荒神のそば処に出かけます。
道に迷い、助けを求めたのが大
学の友人の福岡定晃さん。三谷
の地主さんです。
このときの福岡さんの村おこ
しの話に意気投合。奥さんをは
じめ、瓢箪山の友人と三谷へ通
い始めました。これが山野草の
里づくりの会発足(2001年・平成
12年)のきっかけとなりました。
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仕事の関係から、芳原さんを理科系とばかり思っていました
が、オンキョーの職場で山岳部の部長として同好会を率いた
こともあるアウトドア派でした。福岡さんらと立ち上げた会が
その後、同志を得ながら大きく発展することになります。
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NPO法人山野草の里づくりの会
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三谷の里山 田と畑の作業 写真:芳原和夫 |
写真:芳原和夫
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結成2年目の2003年(平成
15年)にはNPO法人化。
その後、大阪市にあるシニ
ア自然大学との連携、国・県
・市の行政援助に加え、奈良
NPOセンターや多くの会社な
ど一般からの支援により事業
が大きく進展。里山体験教室、
ホタル鑑賞会、ビオトープ見学
会などを旺盛に開催。今では
環境省が認める有名な里山と
なっています。 |
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“山野草の里づくりの会”の活動 写真:山野草の里づくりの会 |
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子どもたちは三谷に来て、都
会にはない体験をします。バー
チャルな疑似体験が多い昨今、
本物の自然に触れる貴重な機
会です。胸いっぱいに新鮮な空
気を吸い込み、子どもたちは夢
中になって遊びます。
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芳原さんは会の副理事長と
して、記録誌や広報紙の編集
にも力を発揮されています。
こうして現在にいたるまで
東大阪から奈良県桜井市の三
谷へと通う生活が続きます。
最新のビオトープ通信←クリック
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守られる豊かな自然環境
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ササユリ |
リンドウ |
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ヤブカンゾウとユウスゲ |
ヤマユリ |
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植物写真:芳原和夫
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里山に生きる昆虫や小動物たち
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パンフレット写真:芳原和夫
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アサギマダラ |
ヤマトタマムシ(奈良県郷土種) |
シュレーゲルアオガエル |
ウラギンヒョウモン ♂ |
オオチャバネセセリ |
ヤマサナエ ♀ |
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動物写真:芳原和夫
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田畑で自然農
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三谷のソバ畑 写真:山野草の里づくりの会 、日々彩々U emirin さん |
高嶺ルビー 写真:芳原和夫 |
三谷では赤いソバの花(高
嶺ルビー)が見られます。
ヒマラヤ原産で、信州大名
誉教授のそば博士といわれ
た故氏原暉男さんが品種固
定されたものです。花は9月
末から10月半ばまで、その
美しい姿を見せてくれます。
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また、里山ならではの山菜料理も楽しめます。四季折々の山の幸は、忘れてはならない郷土の味です。 |
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2018年5月の田植え風景 写真:芳原和夫 |
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自然農法で育てた黒米(もち) |
10月半ばには、古代米
の収穫時期を迎えます。黒
を黒米(くろもち)、赤を赤米
(あかもち)と呼びます。
自然農法で有名な地元
の川口由一さんから農法と
ともにさずかったもの。白
米に黒もちを少し加えて炊
くと、赤くて綺麗な色にな
るので好評だそうです。
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四季折々の里山の活動と山野草の魅力が、人々を三谷へひき
つけています。
NPO山野草の里づくりの会←クリック |
uritoboo さんのユーチューブ動画より 三谷 山野草の里
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夫唱婦随が鍵!?
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ご自宅の前で 芳原御夫婦 |
庭の草木を説明してくださる芳原さん |
夫唱婦随というと、時代
がかってしまいますが、浮
かぶのはこの言葉。最初
芳原さんが毎週2回+α
の三谷行きがどうして可能
なのかと、素朴な疑問があ
りました。 |
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庭で稔ったビックリグミの実を見せる奥さん |
しかし、奥さんのタツ子
さんに会って疑問が解け
ました。奥さんも大の自
然好き。御田植え祭り(ど
ろんこ祭り)で知られる愛媛
県西予(せいよ)市出身。自
然豊かで、フデリンドウの
咲く里だそうです。和夫さ
んとともに、たびたび三谷
に出向いています。 |
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棕櫚の葉のバッタ & 手作り砂糖煮 |
取材中奥さんは、棕櫚(し
ゅろ)の葉で瞬く間にバッタ
をつくってくださいました。
また、三種の柑橘類の砂
糖煮をふるまってくださいま
す。奥さん自身が自然を生
活の中に取り入れ、楽しま
れています。夫の和夫さん
の旺盛な活動の陰には
奥さんタツ子さんの存在が
ありました。
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ご夫婦の元気の素は、自然を愛する心でしょう。山野草が
元気に育ち、活気ある里山づくりを目指されるお二人。
そのご奮闘を祈りつつ、お宅をあとにしました。 |
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ルポ:F・村上 楢よしき 校正:駒
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