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2022年1月20日掲載
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著名な画家が松原市から東大阪市の絵画教室に足繁く、しかも長年
に渡り指導に来られています。どうしたことでしょう。教室が開かれ
ている豊浦自治会館にうかがい、ご本人にお会いすることができまし
た。今年米寿を迎えられる安井啓二さんは、東大阪と深い縁がありま
した。
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東大阪に縁ある画家さん
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豊浦自治会館での絵画教室のようす
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生駒山麓にある豊浦自治会館 |
米寿を迎え今も旺盛な作家
活動を進める画家さんが、東
大阪で活動されています。
安井啓二さん88歳。よく
知られる芸術団体一水会の会
員で研水会委員。また、河内
を描く会の重鎮であり、日本
美術年鑑にも載る作家です。 |
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一水会 HP ←クリック 研水会 HP ←クリック |
そんな著名な画家である安井さんが、どうして松原市か
ら東大阪に来られて活動されているのでしょうか。生駒山
麓の豊浦自治会館で開かれる絵画教室にお邪魔しました。 |
街 (南仏・アヴィニョン) 100号
豊浦自治会館にて クリック:拡大
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安井啓二さん 一水会会員
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豊浦自治会館の一階広間に
は、安井さんから寄贈された
大きな絵画が架けられていま
した。安井さんと豊浦自治会
との深い関係が窺えます。
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お話を伺うとその訳がわかりました。安井さんは東大
阪の中学校の先生を長年務めてこられました。現職のと
き、豊浦地域の人々との絆が深まりました。 |
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その縁で、自治会館新築の
際には絵画を寄贈されました。
また、会館の絵画教室の講
師も引き受けられたのです。
以来30年ほど、絵画教室
の指導をコツコツと続けて来
られました。取材の日、生徒
さんたちから米寿を祝う声が
かかっていました。
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創作活動をされる方の常でしょうか。安井さんは若々
しく溌剌としておられます。最近は教室の数を減らされ
たそうですが、現在でも豊浦地域で2か所、松原市で1
か所、指導は一回4時間の月2回で回られています。 |
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そこでは油彩だけでなくア
クリル、パステル、水彩画な
ども指導されます。「教える
には自分の技術を高めない
と」とおっしゃる安井さん。
その元気の素は生徒さん
たちの存在かも知れません。
もうすこし安井さんのこと
を知るため、難波の画廊で開
催中の米寿記念展を覗かせて
もらいました。
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米寿記念
個展会場にて
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※記事中の絵画作品は、写真撮影のため色調など実物と相違する場合があります。 |
ナルミヤ戎橋画廊 安井啓二洋画展 2021・11・26〜12・1 |
道頓堀1丁目にある ナルミヤ戎橋画廊 |
年末に、難波の目抜き通り
にある画廊で、米寿記念・第
35回安井啓二洋画展が開催
されていました。会場には安
井さんの絵のファンや絵画仲
間、生徒さんたちが多く来ら
れていました。
みなさんへの応対に忙しい
中、安井さんに少し時間をい
ただきお話を伺いました。
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画家 安井啓二さん |
安井さんが絵の道に進んだ
きっかけの一つに、児童期の
体験があります。絵の好きな
女の先生から連続模様の課題
を与えられ、黄色と黒の配色
で描いたところ、すごく褒め
てもらいました。今でも忘れ
られないそうです。
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水門のある風景 (東大阪市) 4号 |
生駒山麓春景(東大阪・額田) 30号 |
土塀の残る旧家(東大阪・石切) 8号 |
生駒山麓(東大阪・石切) |
また、終戦になって復員して
きた男の先生は、窓際に自分
の作品をよく並べていました。
何度も写生に連れて行ってく
ださったそうです。
高校では美術クラブに入っ
て、ここでも先生にほめられ
ました。
進路を決める高校3年のと
き「芸大に行きたい」という
と、父親から「生活は無理、
中学校の美術の先生になれ」
とアドバイスされます。
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大阪学芸大学(現大阪教育大学)
では油絵を専攻。卒業後、同
大学で指導を受けた一水会所
属の西川信一先生の勧めによ
り一水会展(安井曽太郎、有馬生馬
等創立参画)に出品することにな
ります。
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長谷寺秋景 80号 |
古光山遠望(奈良県・曽爾村) 12号
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屏風岩への道(奈良県・曽爾村) 20号
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塔(法輪寺) 6号 |
中学校教諭の赴任先は東大
阪でした。布施第六中学校(現
上小阪中学)を振り出しに金岡中
、枚岡中、長栄中の美術教育
に携わりました。
この在職中は、生徒の指導
だけでなく、自身の作家活動
にも力を注いできました。
そこには安井さんなりのこ
だわりがありました。
「美術の教師として、生徒
に誇れる絵の力量が必要」と
いうものです。
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青谷風景(大阪・柏原) 100号 |
池畔秋景(奈良公園) 3号 |
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赤い屋根(フランス) 100号
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運河(中国・周庄) 20号 |
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モネーの庭(フランス) 8号 |
ばら 6号 |
安井さんにとって、絵の研
鑽の原動力・元気の素は中学
校の生徒たちだったようです。
安井さんは、今も東大阪市
中学校美術教師の会の一員と
して、会主催の永和会展にも
出品を続けておられます。
教育者として活動された期
間が、作家としても貴重なも
のだったことを物語ります。 |
安井さんのモットーは「焦らず止まらず」とか。
これからの抱負は、今までの中程度の大きさの作
品を、大きな号の大作に仕立てることだそうです。 |
インタビュー風景 |
退職してもなお東大阪で活
躍していただいていることを
ありがたく思います。米寿を
機に、さらに新境地をめざさ
れる安井さんの姿に元気をい
ただきました。
画業のご成功とご健勝をお
祈りします。 |
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<動画>こんにちは!画家安井啓二さん
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取材: R山口 楢よしき 編集:楢 校正:葵
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