2015年7月24日掲載
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上四条町にある 有限会社山重食品
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東大阪のモノづくりにはいろいろあるんだなあと、感じたのが今回の取材。私たちの町に納豆工場があるとは夢にも思いませんでした。発酵食品は日本人のお手の物ですが、納豆に関しては関東圏で作られているとの思い込みがありました。しかも、昔から生駒山麓にあって、創業55年にもなるというので二度びっくり!
7月10日の“納豆の日”にちなみ、さっそく取材に出かけました。
納豆の効用 医学博士 織田真智子←クリック
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生駒の山懐に抱かれて
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納豆工場は生駒山麓の上四条町にあります。急な坂を登らねばならないところですが、地元の鳩まめ会員に車で助けてもらいました。
到着したところからは、眼下に市街地が見おろせます。この道を登っていくと、らくらく登山道を経て山頂に至ります。工場は、そんな山懐に抱かれたところにありました。 |
見下ろす風景 & 見上げる風景 |
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山重食品社長 山本公一さん |
応対していただいたのは、納豆の製造卸を営む有限会社山重食品の社長・山本公一(こういち)さん(58歳)※です。
工場の案内と会社の説明をしていただきました。
※長年、関西納豆工業協同組合の理
事長を務める。 |
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本場の伝統が山麓で開花
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創業は、先代山本昭(あきら)さん。山形県の米沢の出身です。大阪に働きに出てきた先代は無類の納豆好き。昔、布施にあった米沢食品という納豆工場に丁稚奉公の形で勤め始めました。工場の経営者も米沢出身で、同郷のよしみという安心感もあったようです。米沢は納豆づくりの本場。先代は、米沢食品でその技術を身につけ、経営者の娘さんと結ばれます。
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曲折を経ながらも、ここ上四条町に念願の工場を構え、独立を果たしました。屋号の山重は、そのときお世話になった方の重の一字をかりてつけたもの。先代の律儀な性格をあらわしています。米沢の納豆作りの伝統は、やましげの納豆として、二代目公一さんに受け継がれることになります。
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山形県米沢市 |
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生駒山の全景 |
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今から3年前の2012年(平成24年)には、第13回全国納豆監評会において、小粒・極小粒部門で、最高の納親会長賞に輝いています。ちなみにその商品名は「米沢納豆小粒」。納豆づくりの伝統が、遠く離れた生駒山麓でみごと花開きました。
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蓄積したノウハウと良質な水
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工場内を見せてもらうと、一番大切な発酵過程は、コンピューター管理されているようです。しかし、山本さんは、生きている納豆菌をコンピューターで完全にコントロールできるものではないと言います。ぎっしり書き込まれたデータ帳を示しながら、「このノウハウこそが山重の財産」と、説明します。山麓で創業55年の経験の蓄積が生かされます。 |
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また、よい水が納豆づくりに欠かせません。山麓は、場所によっては金気(かなけ)の多い水がでることがあります。しかし、幸いにしてこの工場では生駒山の良質な水が手に入ります。 |
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従業員さんたちは地元の人たちです。生駒山麓の地に根を張った工場から、納豆が各地に送られていきます。和気あいあいと作業するみなさんの姿が印象的でした。 |
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豊富なラインナップ
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やましげの納豆の商品のラインナップは、およそ十数種類。注文に応じて製造卸をしています。小売はしていませんが、分けてほしいと近所の人が工場に見えられるそうです。
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関西人は納豆が嫌い?
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昔から、「関西圏では好まれない」という風潮があることについて伺いました。
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山本さんによれば、それは過去のことで、今ではスーパーなどで日常的に手に入れることができ、壁は格段に低くなっているとのことです。
実際、工場見学にやってくる小学生たちに、“納豆が食べられない人”をたずねたところ、クラスの1~2人程度だということです。 |
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納豆を食べる理由に、健康にいいからという人もいます。また、食べ方も、いろいろ手を加え本来の味を分からなくする料理法もあります。しかし、山本さんは、「納豆は美味しいから食べる」と言ってもらえるようにしたいと、納豆への厚い想いを語られました。
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納豆が人気に スーパーの店頭 |
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<情報>
有限会社 山重食品
住所:〒579-8052
東大阪市上四条町9番18号
TEL:072-981-3822(代)
FAX:072-984-9009
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<動画> 生駒西麓の納豆工場 やましげ |
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ルポ:M・織田 K・東野 楢よしき 校正:駒 |
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