今どうなってるの?!東大阪
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 2019年2月11日掲載
                                   
                     

 東大阪市今米にある川中家は、大和川付け替えに功績のあった中甚兵衛
ゆかりの家柄。家屋は「登録有形文化財」に、また、約
5,000平方メートル
の屋敷林は
「今米緑地保全地区」にそれぞれ指定されています。ここは
いま、市民に開かれたサロン
「美杜里乃舎(みどりのや)として多くの
人が訪れています。現在家屋を修復中。2月の1日と2日に工事が公開
され
、見学会がもたれました。

                    
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 美杜里乃舎玄関の修復工事 ←ジャンプ
 発見!賓客用の玄関 ←ジャンプ
 歴史のランドマークを守る ←ジャンプ

 
  
美杜里乃舎 玄関修復工事

 
 近鉄けいはんな線吉田駅付近を車窓から見ると、こんもりと
した森が見えます。ここが
「今米緑地保全地区」に指定されて
いる
川中邸屋敷林です。隣接の今米公園に大きい中甚兵衛
の顕彰碑が立っています。

 この歴史的景観と自然を、市
民に親しんでもらおうと始まった
のが「美杜里乃舎
(みどりのや)
の取り組み。イベントや見学に多
くの市民が訪れます。
       
   美杜里乃舎とは、江戸後期の国
   学者・藤井高尚(ふじいたかなお 
   岡山吉備津神社の祠官 1764~
   1840)が川中邸に名付けた屋号。
    度々この地を訪れ逗留した折に
   みどり豊かなことから名づけた。


 今、その美杜里乃舎で家屋の修理が進行中。工事は平成30
年度東大阪市地域まちづくり活動助成金
を受けたものです。
2月1日と2日に工事の様子を公開し見学会が行われました。

説明会のようす


説明をする 建築家の飛田太一郎さん
今米緑地保全会幹事長
 川中邸は、南北にやや長い
敷地中央に南面して建ってい
ます。桁行10間半、梁間5
間の規模で、木造平屋建。入
母屋造、屋根は茅葺
(かやぶき)
です。西側に2列に6室を並べ
、東側に土間と2室をとります。
 四方に下屋を廻し、瓦棟を
載せています。伝統的な農家
建築の外観をもつとされます。
   (文化遺産オンラインより)

 専門家によって、建物は江戸
中期ころの建築と評価され

観は歴史的な価値が認められ
ています。築造以来何度かの
修理・改修がおこなわれ、直近
は、2016年に茅葺屋根の修
復工事が行われました。
   
屋根の工事の様子←クリック
 今回の工事は表玄関周辺の、
屋根・庇・柱・壁・三和土
(たたき)
などの修復です。

株式会社鳥羽瀬社寺建築  稲岡信義社長
見学会で説明する稲岡さん
 工事を請け負ったのは(株)
羽瀬社寺建築
。東大阪市善根
寺に会社があります。宮大工
棟梁の
鳥羽瀬公二氏が率い、
東大寺大仏殿や宮島厳島神社
など多くの国宝、指定重要文化
財の修復に携わります。
 見学会には社長の
稲岡信義
さん
が直々に参加されました。

「隠し」の技法

壁から大正時代の古新聞
  第一回目の見学会に参加したのは20数名。歴史研究家
や建築に興味のある人、川中家に関心をもつ人などさまざま。
 工事担当の
安本龍司さんが手法の一つである「隠し」の技
を説明したとき、驚きの声が上がりました。

柱を継ぎ足した跡
 工事中、壁の中から古新聞
がみつかりました。新聞は大
正時代のもので、この時期に
修復があったようです。。
 また、柱に継ぎ足した跡が
発見されました。当時の
寸法
間違い
のようです。「大工さ
んはさぞ慌てたでしょう」と
いう説明に一同大爆笑。
 
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ハプニング 賓客用玄関
 

屋内での説明会のようす

主屋 客間を望む
  屋敷の中でも説明会が続
きました。建築家で今米緑地
保全会幹事長の
飛田太一郎
さん
から、江戸間と京間の寸
法の違いや日本古来の耐震
対策の話しを聞くことが出来
ました。

入り口があったと考えられる場所&発見された道具類
 この度の修復では新たな
事実が判明しました。今は
閉ざされている一角が、か
つては
賓客を迎える玄関口
だったというのです。そし
て、その場所からは、家人
も知らなかった道具類が見
つかりました。旧家ならで
はのハプニングです。

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③歴史ランドマーク守る


太い柱や梁


「つし」 天井に作った物置場
 この屋敷から江戸時代の豪農
の生活ぶりを知ることができま
す。しかしそれ以上に大切なも
のを感じます。この
今米の土地
は大和川付け替えによって激変
した人々の暮らしと歴史が凝縮
された場所です。この場所に立
つ邸は、まさに大和川付け替え
を象徴する
ランドマークの位置
にあります。
 この美杜里乃舎が、さらに多くの市民が気軽に訪れる場所
として、また、催しの会場として大いに活用されることを期待
します。

見事な鉋さばきの安本さん
  この見学会に参加した総数
60名近くにのぼります。誰
もが歴史と文化の遺産を継承
する大切さとその困難さを感じ
られたことでしょう。
 今回、修復を行った美杜里乃
舎関係者、助成を行った行政、
そして工事に携わった建築業
者の方々に敬意を表します。

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 レポ:楢よしき 校正:駒
 

 
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