今どうなってるの?!東大阪
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2020年6月20日掲載
                                  
                      
 東大阪の農業後継者不足も深刻だ。市では、高齢で生産ができにくくな
った田畑を、若い人が借り受け、農業をを引き継ぐ「担い手対策事業」が
おこなわれている。その事業を利用して農業を志す若い女性が現れた。
喜ばしいことだ。府下でもめずらしいというが、自給率が20パーセント台
に近づいた日本にとって、そのような若い女性がどんどんあらわれてくれ
ることを願いたい。今回は、農業に取り組みだした女性にお話を伺った。
 
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 農業女子の登場←ジャンプ
 ②新感覚の農の担い手←ジャンプ
 <動画>東大阪・農業女子の登場←ジャンプ

 
  
農業女子登場



フランスの農家にて  (瀬利提供) 

農業女子 瀬利由貴乃さん
 写真の外国の人たちの中に
見慣れた東洋人の顔が見え
ます。この人が今回登場して
もらう
瀬利由貴乃(せり・ゆきの)
さんです。現在、瀬利さんは、
池島と玉串で農地を借り、畑
仕事に精出しています。

畑作業の瀬利さん

枝豆の苗
 瀬利さんに会うため畑に行っ
た日は、ちょうど、枝豆の苗を
植えているところでした。
きゃ
しゃに見える瀬利さんですが、
手慣れた力強い身のこなしで
次々と苗を植えていきます。
 地元東大阪の人に新鮮な
野菜を届けたいと頑張ってい
ます。

土地提供者と市長訪問(市広報課写真)
 瀬利さんの生まれ育ちは
市内の
宝持(ほうじ)。京都外
国語大学の在学中、あるこ
とから農業に強い関心を持
ち始めました。市役所をおと
ずれ、高齢の生産者の畑を
提供してもらう
担い手対策
事業「ひっしのぱっち」
に応
募。畑地を提供してもらいま
した。こうして1年間の農業
実習を体験しました。

フランスの野菜農家 (瀬利提供) 
 しかし、瀬利さんの農への
関心はこれで収まりません。
2018年夏から、フランス語
専攻の語学力を生かし、フラ
ンスの農家に農業研修に出
かけます。利用したのは
WW
OOF
(ウーファー)※という国際
的な団体。有機農業を学ぶ
人に、
ホスト(受け入れ農家)
紹介します。瀬利さんは1年
間で10軒の農家に住み込
みで働き、フランス農業を学
びました。

World Wide Opportunities on Organic Farms


ピレネーの麓の野菜農家  (瀬利提供)

WWOOFホスト農家

WWOOFホスト農家

WWOOFホスト農家

養鶏農家 (瀬利提供)

籐の栽培と籐工芸 (瀬利提供)
 
 体験したのは、野菜作り
ワイン酒造、オリーブ栽培
養鶏、酪農、籐工芸、羊牧
など。東はアルプスの山す
そから、西は大西洋の海岸
近くまでのフランス全土に
及びます。EUの農業大国
での貴重な体験です。
 瀬利さんは農業技術だけ
でなく、コミュニケーション
力も身についたと語ります。


WWOOFホスト農家

WWOOFホスト農家

アルプスのワイン農家  (瀬利提供)

販売のチラシ クリック拡大
 瀬利さんはフランスから帰
国し、池島と玉串の農地を
借りて野菜作りをはじめます。
 販路の開拓も並行して進
めました。レストランやJAグ
リーン大阪フレッシュクラブ、
体操クラブなどで販売して
います。フランスの農家で
の体験は、日本で直接役に
立つものではないそうです。
 しかし、持続可能な農業
の理念と、有機農業へのこ
だわりは大切にしたいと語
ってくれました。
 都市農業をめざす瀬利さん
に大きな声援を送りたいもの
です。

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新感覚担い手


宮中での歌会始めの儀 NHKニュースより

宮殿松の間での歌会始めの儀 NHKニュースより
 ところで、瀬利さんには別
の素顔がありました。それ
は、文学少女の一面です。
 明浄学院高等学校に進ん
で和歌に親しみ始めた瀬利
さん。2年のときに
歌会始め
の応募作品が、入選の栄誉
に輝きました。2013年
(平成
25年)
1月のことです。

歌会始の入選作 NHKニュースより
 「人々が 同じ時間に 立
ち止まり 空を見上げた
金環日食
 若々しく、しか
も雄大な情景を詠んだ堂々
とした和歌と見えます。
 行動力だけでなく、胆力
を感じさせる女性です。

沖永良部島のバナナ
 そもそも、瀬利さんが農業
に強い関心を持ち始めたの
は19歳のとき。祖父母の出
身地である
鹿児島県・沖永
良部島
の菊づくりの農家に
ボランティアにいったことか
ら。島で育っている
バナナ
おいしさに衝撃を受けます。
 リンゴの匂がしたと瀬利さ
んは表現します。
 そこから、自分で美味しい
農産物をつくりたいという夢
が生まれました。

矢井田瞳さんの歌声にのってメッセージを送る
 このコロナ禍の中で、瀬利
さんは、
産経新聞社シンガ
ー・ソングライター矢井田瞳
さん
の共同プロジェクトが募
集した、コロナに負けないメ
ッセージづくりに参加。『あな
たのSTORY』の歌声にのせ
て、
「野菜で笑顔に」のメッセ
ージを掲げてアピールしてい
ます。新しい感覚の世代の
登場です。
 過去、3Kと言われてきた農
業ですが、それを刷新する

業女子
の潮流が生まれてほ
しいと思います。
 自給率を上げることが課題
となっている日本農業ですが
その希望の星となってほしい
ものです。


<動画>東大阪で農を志す・農業女子の登場


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 取材:東野、菊池、片山、楢

編集:楢  校正:駒
  SE:クニヒコ

 
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