|
2021年5月21日掲載 |
|
|
かつて、大和川は河内のど真ん中を流れ、平野部では川幅が400メート
ルもあったといいます。その大きさゆえに河内平野の形成や人々の生活に
大きな影響をあたえました。「河内」の名の由来も大和川と切っても切れま
せん。大和川付け替え後は農地をもたらしました。今も、大河の痕跡が東大
阪のいたるところに残されています。河内にとって、大和川は母なる川。
今回、機会を得て大和川の源流の地を取材することになりました。
index
|
|
|
洪水対策で、大和川付け替えに貢献した中甚兵衛像 (大和川治水記念公園 柏原市) ウイキペディアより |
|
年配の方なら、大和川は30
0年前に大きく流れを変えたこ
とをご存じでしょう。今でも川
跡が東大阪のいたるところに見
られ、歴史ハイキングスポット
になっています。しかし、大和
川の源流について、あまり聞い
たことがありませんでした。 |
|
山野草の里づくりの会 副理事長 芳原和夫さん |
このたび、中甚兵衛ゆかり
の今米・川中邸の川中知子
(もとこ)さん※から、大和川の
源流と地元を訪ねたい、との
要望が届きました。
※今米緑地保全会代表
幸い、以前に鳩まめ倶楽部
では、源流の地に足繁く通い
山野草を守る活動をされる、
本町在住の芳原和夫さんを
取材していました。
芳原さんに案内をお願いす
ると、快諾して頂きました。
|
|
既報:東大阪から奈良へ 通い続けて20年近く ←クリック
|
|
|
東大阪から源流の地、奈良
県桜井市大字三谷へと、川
中さんと取材班を含めた2台
の車で向かいました。
5月初旬の山林には、藤の
花が美しく咲いています。
東大阪からは1時間と少し
の距離です。 |
|
|
②自然豊かな里山・三谷
|
嵩(だけ)地区の棚田 三谷の棚田へと続く |
菅原神社 |
室町時代の山城 三谷城跡 クリック:拡大 |
民家 |
ついたところは、歴史を感
じさせる落ち着いた里山。
三谷地域は、国、県、市、
企業の支援を受け、地域住
民と大阪シニア自然大学卒
業生などの里山保全が取り
組まれました。その結果、2
015年に環境省から「生物
多様性保全上重要な里地里
山」※に選定されています。 |
寝地蔵 |
民家 |
福岡邸 |
訪れた大和川の源流の地は
美しく緑豊かな土地でした。
しかし、20年以上前は、離
村による耕作の放棄と山野草
や昆虫の減少などが目立ちは
じめました。これを危惧した地
元の福岡さんご夫妻が、大学
時代の友人の芳原さんと共に
里山の環境を守るNPO法人
「山野草の里づくりの会」(以降
:会)を立ち上げました。 |
|
「山野草園」 書家 髙木誠子さん揮毫(東大阪・昭和町在住) & シャクナゲ |
「野のはな亭」 & 額は高木誠子さん |
現理事長の村上さんは、東
大阪市生れ。現在、大和高田
市に住み、ここ三谷に通って
います。ホタル見学で里山の
魅力に触れて入会。
数年前に、福岡さんから理
事長を引継ぎました。 |
|
芳原和夫さん(副理事長) 福岡房子さん 村上秀夫さん(現理事長) 福岡晃定さん(元理事長) |
古代米選別の作業を見せてもらう |
会では、自生山野草の調査
と保全、放置田畑の整備、農
業用水路や農道の復旧をおこ
なっています。また、ビオト
ープづくりや果樹園づくり、炭
焼きやシイタケ栽培、古代米
の無農薬栽培など、受講者・
見学者を受け入れて、多彩な
保全活動※をおこないます。
※活動日は水曜と土曜の週二回 |
古代米選別中の会員の方 |
不耕起栽培中の田んぼ |
新しい倉庫の建設中 |
会のメンバーの方々は、奈
良市、橿原市、五條市などか
らやってきます。芳原さんは
東大阪から駆けつけます。手
弁当で、草刈り、田植え、山
林の手入れなどハードな作業
をこなします。里山を守る仕事
がコツコツとおこなわれている
現場を見ることができました。 |
|
|
|
③自生山野草を守る
|
保全林の中 |
ハナイカダの花(葉っぱの上) |
会の活動の一つとして、自
生山野草の調査と保全があり
ます。
芳原さんに保全林を案内し
ていただきました。山林に入
ってすぐに、愛情をもって手
入れされ、見守られているこ
とがわかりました。 |
|
キンラン(金蘭)の花 |
ギンラン(銀蘭)の花 |
林の中には、貴重な植物が
見られます。キンラン・ギン
ランは、おそらく、初めて見
る人のほうが多いのではない
でしょうか。丈はそんなに高
くはないのに、その気高い姿
に魅了されました。悲しいこ
とに両方とも絶滅危惧種に
指定されているようです。 |
|
スズラン(鈴蘭)の花 |
スズランの花 |
これはスズラン。ご存じの
方も多いはず。園芸店で手
に入ることがあります。
冷涼を好むスズランは暖
かいところは苦手。三谷の
自生スズランは日本の南限
にあたるといいます。ここで
の存在自体が、学術上も貴
重なのだそうです。 |
|
ギンリョウソウ(銀竜草) |
ギンリョウソウの花 |
奇妙な純白の姿をした珍し
い植物。銀竜草といいます。
菌類に寄生して成長し、光
合成の緑を失いました。
内部の不思議な青色はめし
べとか。一度見たら忘れられ
ない花です。みなさんはどん
な印象を抱かれましたか。
|
|
三谷の東にある 真平山 & 大和川に流れるせせらぎ |
芳原さんの案内で、三谷の自然の豊かさを堪能するこ
とができました。もう一つの収穫は、大和川源流の山々
をこの目で見られたこと。 |
左 真平山 右 貝ヶ平山
|
東大阪と三谷は、大和川で
つながっている実感が湧いて
きました。川中さんは、また
訪れたいと話されました。
山野草の里づくりの会のみ
なさん、本当にありがとうご
ざいました。
|
まほろば湖と初瀬ダム |
ダムの水は、初瀬川から大和川へ |
|
|
<動画>大和川源流の地 山野草の里・三谷訪問
|
|
|
|
NPO法人 山野草の里づくりの会
所在地 |
〒633-0102577-0034
桜井市三谷528番地
「山野草の里」 |
問い合わせ電話
|
090-9991-3549
|
理事長
連絡 |
TEL&FAX
0745-23-0383(村上)
murakamy@maia.eonet.ne.jp |
副理事長
連絡 |
TEL&FAX
072-981-6157(芳原)
ads20155@nitty.com-981-6 |
HP |
http://sanyasou.org/ |
|
|
|
|
|
上に戻る←クリック |
取材: 村上 福田 山口 東野 楢 同行:川中(今米緑地保全会)
協力:山野草の里づくりの会
編集:楢よしき 校正:駒 SE:クニヒコ
|
|
|
ご意見・ご感想をお願いします。 一番下をクリック ↓ |
|
トップページに戻る |
|