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2024年2月29日掲載 |
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東大阪市で国史跡に指定されているのは3ヵ所あります。日下貝塚と河内
寺廃寺跡、そして今回ご紹介の鴻池新田会所跡です。鴻池新田会所跡には
、重要文化財に指定された本屋、米蔵、道具蔵、屋敷蔵、文書蔵の5棟など
貴重な建物が残されています。文化庁からの指導もあり、耐震工事等がおこ
なわれることになりました。昨年4月から休館中です。先日の2月17日に
、工事の様子がわかる見学会がおこなわれました。
鳩まめ倶楽部は見学会に参加し、多くの方々と一緒に見て回りました。
index
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①鴻池新田会所は休館中
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鴻池新田会所 本屋南側
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出入り口 冠木門 |
邸内の梅 |
大和川付け替え工事はみなさんご存じの通り。中甚兵衛
の尽力が知られています。付け替えの結果、河床が次々に
田畑に変わっていきました。 |
庭 園 |
この地に新開池(しんがいけ)
という広大な池がありました。
水が流入しなくなった土地
を買い上げ、新田開発したの
が、三代目鴻池善右衛門宗利
でした。
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道具蔵 |
本屋 北側 |
周濠の跡 |
会所の北側 |
本屋の梁 |
井路川舟 |
庭園の弁天池 |
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その新田開発の拠点となったのがこの会所です。ここ
は歴史的に貴重で国史跡に指定され、また、5つの棟は
重要文化財となっています。 |
邸内の様子 鴻池新田会所パンフレットより
クリック:拡大 |
近年は、ここで市民参加の
文化活動も催されるようにな
り、広く親しまれています。
工事に伴って休館となった
ため、「どうして?」「どん
な工事?」「いつまで?」と
いった市民の疑問の声が聞こ
えてきます。 |
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②工事見学会
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保存修理工事 見学会 |
2月17日、東大阪市主催で、工事の見学会がおこなわれ
ました。工事を監理する(公益財団法人)文化財建造物保存技術
協会(以降:文建協)の方にから、工事のことについて聞かせて
もらいました。 |
主催:東大阪市人権文化部文化室文化財課
挨拶:朝田良輝さん |
「外観から老朽化が見えな
いのになぜ?」という疑問が
ありました。文建協の春日井
さんは、耐震の最新基準から
して補強が必要、と説明され
ます。建物の保全と共に、見
学者の安全が求められるよう
です。
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「どんな工事が?」という質問についても答えてもらい
ました。まず、耐震診断をおこない、その結果、本屋、米
蔵、道具蔵の耐震工事をおこなっています。屋敷蔵につい
ては地盤沈下で建物が大きく傾斜しているため、揚屋(あ
げや)工事をおこなっているとのことです。
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文建協 監理室長兼監理課長 参事
春日井道彦さん |
文建協 大阪監理事務所
技術主任 金田直子さん |
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棟札 宝暦九年(1759年) |
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重要文化財に指定される建物の工事は、普通の建築方法と
は大きく異なるようです。 |
棟札 嘉永6年(1853年) |
元の建材を極力温存し、景
観や価値を損なわず、しかも
最新の耐震基準をクリアーす
るという課題に挑戦します。
施工の鳥羽瀬(とばせ)社寺
建築と力を合わせ、現代の匠
の技が発揮されています。
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座敷 新座敷(奥) |
屋敷蔵 揚屋の説明 |
屋敷蔵 工事中 |
屋敷蔵を持ち上げた痕跡
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屋敷蔵の揚屋工事の見学で
は、文建協の金田さんから詳
しい説明を受けました。
こんな重い家屋をどうして
持ち揚げられのか?小学生の
参加者も納得できたようです。
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米 蔵 |
耐震工事がおこなわれている道具蔵と米蔵に入りました。
春日井さん、金田さんから説明を受けました。蔵は収蔵量
を確保するため、内部の柱がありません。地震には弱い構
造です。 |
道具蔵 耐震工事の説明
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かといって、蔵の真ん中に
柱を立てるわけにはいきませ
ん。柱と柱の間の壁に構造用
パネルを埋め込み、その上か
らしっくい壁を補修する計画
だそうです。
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道具蔵の屋根の梁 & 道具蔵の工事のようす |
普段の見学では得られない知識を、文化財を守る建築
の専門家の方から教えてもらいました。 |
米蔵 耐震工事の説明
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「工事はいつまで?」とい
う質問にも答えていただきま
した。令和7年(2025年)の
夏頃に完成予定とのこと。
工事関係者の方々に感謝し
つつ、開館を待ちたいと思い
ます。
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米蔵 耐震工事中 (構造用合板パネル) |
米蔵 壁と屋根の梁 |
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➂<動画>見学会に同行
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④<動画>文建協インタビュー
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取材: 楢
編集:楢よしき 校正:葵 SE:クニヒコ
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