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東大阪で宝物探しをする「どーなってる東大阪」。今回は地元在住の美術家に
ご登場願います。
東大阪市菱屋西にお住まいの型絵染作家・伊藤千晶さん。日本新工芸家連
盟会員、京都工芸美術作家協会会員で、若いときすでに日展に入選されている
実力派です。2月24日(土)からはじまる日展(日本美術展覧会)※を前にして、取
材に応じていただきました。
※(大阪市立美術館 2月24日~3月25日)←詳細クリック
index
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①型絵染作家のアトリエへ
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1月下旬、菱屋西にある型絵染
作家・伊藤千晶さんのアトリエを
訪問しました。アトリエは、町屋風
の門をくぐり、さまざまな植物が植
わった庭の一角にありました。
ここで、糊置き(板場)の創作の
一端をのぞかせてもらうことに。 |
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創作中の伊藤千晶さん 糊置き(板場)の仕事 |
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創作中のアトリエの空間には、
凜とした緊張感がただよいます。
糊置きの作業は30分ほど。そ
のあと、伊藤さんの作品を拝見
させてもらうことに。
伊藤千晶さんプロフィール←クリック |
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作品:有虞陶唐(ゆうぐとうとう) クリック:拡大 |
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一番最近の作品は、現在、日展の展覧会に出品中。かわりに、下
のはがきを見せてもらいました。この作品も、伊藤さんにとっては思
いがこもったものです。 |
垂拱平章(すいきょうへいしょう) クリック:拡大
伊藤さんは平和を願うものと語る
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昨年、出品の用意を始めていた伊
藤さん。ところが、介護しているお母
さんが一時も目が離せない状態に。
作品を制作する時間と余裕が一切
なくなりました。しかし、看護の甲斐な
くお母さんは亡くなられてしまいます。
一時、力を落とした伊藤さんでした
が、亡くなった母親が背中を押してく
れている思いが湧いてきました。制
作を再開し、〆切り間際に出来あが
ったのが左の作品です。
当初の構想では、オリーブの実は
青色でした。でも、お母さんを看(み)
取ったのち完成した実は、熟したオリ
ーブとなりました。 |
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ユーチューブ 型絵染作家伊藤千晶さんアトリエ訪問
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若い日の作品と久しぶりの対面
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樟蔭高等学校(樟蔭学園)に寄贈した作品の前で |
伊藤千晶さん 母校にて |
小さい頃から絵が好きだった伊藤さん。しかし、描き方の指導がある図工の時間は嫌いだったといいます。自分の表現を大切にしたいという思いはその後も一貫。
大学は染織の道へ進み、現役で日展に初入選するという快挙を成し遂げます。若い日の作品2点は、高校の母校・樟蔭学園に寄贈。今回、久しぶりの対面となりました。 |
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「ナーダム・草原の祭」日本新工芸展入選 |
「蒙古回想Ⅲ」 日展入選 |
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母校を訪れて |
二点はいずれもモンゴルで着想を得た
もの。京田辺市の「雑創の森学園プレース
クール」※に就職した伊藤さん。子どもたち
100人とモンゴルでゲルに寝泊りの体験。
満天の星が忘れられないと、強烈な印象を
振り返ります。子どもたちと過ごしたこの仕
事を通して、“自分のためにだけ生きるもの
ではない”と体感しました。
結婚し、家事・育児の主婦の仕事と作家
の両立は難しいもの。しかし、伊藤さんは
作品の数を抑えながらも制作を止めません
でした。
※雑創の森プレースクール←クリック |
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子どもさんのために作った鯉のぼり |
「これは作品ではないのですが」
と、見せてもらったのが大きな鯉の
ぼり。子育て中にも制作を続けてい
た伊藤さん。そこには作家としての
強い情熱が感じられます。
今、主婦の仕事をやり遂げた伊藤
さん。これから個展などへの新たな
挑戦が始まります。
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“あとりえ町屋” を主宰
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“SAMADHI”の 森 伸代さん ママヨガ教室 |
“あとりえ町屋” の子どものための一室 |
伊藤千晶さんには別の顔もあり
ます。高校時代から好きだった絵
本の世界。今では、サークル「コッ
コ絵本の会」のお世話役。また、
「東大阪 子どもと本・おはなしネ
ットワーク」の代表も務めます。 |
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写真:染め色遊び フェースブックより
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さらには、昭和初期に建てら
れた町屋の管理を託されてい
ます。昨年4月から、そこに
“あとりえ町屋”を開きました。
自身の“菱屋西染め色遊び”
の教室のほか、ヨガ教室、着
付け教室や各種イベントが開
催されます。心豊かにそして
楽しく暮らそうとのみなさんへ
の提案です。 |
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「ちょっとした暮らしの知恵が、若い人に伝わったら」という伊藤千
晶さんの願いです。ここでの人々との出会いが、伊藤さんの創作
活動へのさらなる推進力となりそうです。
アトリエ染め色遊びフェースブック ← クリック |
紹介者: A・酒野 楢よしき 校正:駒 |
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