今どうなってるの?!東大阪
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                                                    2019年10月29日掲載

 二兎を追うもの一兎をも得ず” と世間でいいます。でも、例外というのはある
ものです。大阪市で歯科医の三代目を継ぎながら絵画にも情熱を燃やし、今や
独立美術協会の正会員に。
しかもそれだけでなく、多方面に能力を発揮する人
がおられます。額田在住の額田晃作さんがその人です。額田さんの自宅を伺い
ました・
 歯科医にして画家 ← ジャンプ
 絵画界の重鎮 ← ジャンプ
 画家の枠に収まらない多才 ←ジャンプ
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既報: 額田晃作展 あべのハルカス ←リンク
        


歯科医にして画家

 すでに、町ネタニュースで取り上げた額田晃作さん。今年の春に、あべのハルカス5周年記念として、「額田晃作油彩展“薔薇”」を開催。
 その様子を取材させてもらいました。しかし、その場では額田さんその人を捉えきれませんでした。そこで再取材をお願いしたところ、快く応じていただきました。
 伺ったのは10月14日(土)、枚岡神社
の秋郷祭の宵宮の日。門構えにびっくりしま
した。立派な長屋門のある邸宅です。
 あとで聞いた話では江戸時代のこのあたり
は天領で、額田家は一帯の庄屋を束ねる
大庄屋の家柄だったとのこと。
 鳩まめ記事
 絵具のホルベイン工場
 阪口真智子鬼語る展
文楽人形細工師菱田雅之
 環境陶芸藤原郁三
 油絵に情熱注ぐ
河内100人展八尾・東大阪
 京都町屋通崎睦美
 動物イラスト佐藤邦雄
 河内の原風景写真展 
 濱田庄司と芹沢銈介
2018東大阪秋季公募展
2017東大阪秋季公募展
2016東大阪秋季公募展
2015東大阪秋季公募展
2014東大阪春季公募展
 版画家名嘉ボクネン
 上方舞 吉村ゆきその 
 拓本の世界
ギャラリー紹介書家髙木誠子
 額田晃作 あべのハルカス展
 川勝 親 工場写真家


独立美術協会正会員


大阪歯科大学100周年記念作品  「緑の青春」(コピーより)
 恐るおそる門をくぐった取材クルーでしたが、歓待を受けて
ほっと一息。部屋にはエメラルドグリーンの絵のコピーが飾
られています。大阪歯科大学100周年記念に、同窓会から
母校に寄贈のため、額田さんが依頼されたものです。
 題は
「緑の青春」。実物は200号(長辺は2m半ほど)の大作。
 額田さんの歯科医師としての立場と、画家としての仕事の
接点を物語る一枚です。

エチオピア 「オモ河のほとりにて」 パンフレットより
 額田さんは、並みの画家で
は想像もできない修羅場を何
度もくぐってこられました。
アフリカの砂漠で寝泊りし、
治安の悪いところでは銃でわ
き腹をつつかれ、背中に石を
受けたことも。命の危険まで
冒して額田さんは、取材旅行
を長年続けました。
 

第86回独立展出品作「ラリベラ」の前で
 エチオピアへは10数回。
その他、アフガニスタン・シ
リア・スーダンなど10ヵ
国以上にのぼります。なぜ
そこまでして遠い異国の地
しかも未開発地に題材を求
めるのでしょうか。

名著出版 2015刊 クリック」:拡大
 その答えは、作品が雄弁に物語るは
ずです。でも、そのほかに額田さんの
エネルギーの源を解明するよい手引
きがあります。額田さんが上梓した
写真集「愛しき、人類よ。」がそれ。
取材旅行で撮った写真に、氏の文が
添えられています。

 
現地での体験を語りつつ、氏の感性
がほとばしります。読ませていただい
て一番感じたこと。それは、「この人
は心底人間が好きなんだ」という感動
でした。額田さんの題材は、大和風景
ラグビー、薔薇と、多岐に及びます。
 


画家まらない多才


「襤褸残照ぼろの美」 清文社 2000刊

スエーデン繊維雑誌 にも取り上げられる
 額田さんには、画業以外に
も国際的な評価を受ける分
野があります。それは襤(ぼ
ろ)の蒐集です。使い古され
つぎはぎだらけの昔の衣服
に美を見つけた額田さん。
「襤褸残照・ぼろの美」とし
て写真集を出版しました。
 それが世界的に注目を浴
び、本は
“ぼろのバイブル”
呼ばれるようになりました。
  らんるざんしょう

襤褸残照 ぼろの美
 額田さんは、ぼろの着物
には、当時の母親が家族
のために一針一針心を込
めた思いが伝わってくると
いいます。貧しい暮らしの
人々に寄り添う感性が伝わ
ってきます。今もこつこつと
蒐集を続ける額田さん。ラ
イフワークの一つです。

長屋門の一角にある工房にて

 さらに額田さんの創作意欲
は他分野に及びます。陶芸
もたしなまれると聞いていた
ので、工房に入らせてもらい
ました。しかし、予想とは違い
そこはまるで職人さんの仕事
場のよう。額田さんの手であ
っという間にいくつかのきれい
な器の形が出来上がります。
その手際にはびっくり。



 それもそのはず、額田さんは
これまでに、個展を何度も開い
てこられ、東京・六本木での個
展をひかえているとか。陶芸作
家としても活躍されていました。
 歯科医の仕事をしながら、油
彩・写真・陶芸・襤褸の蒐集と、
どれも一流の技の持ち主。
「天は二物を与えぬ」という諺
も例外があるようです。


籠 と 文庫
 そんな多才な額田さんですが
、物腰の柔らかい人物と感じま
す。歯科医という仕事柄からく
るのでしょうか。それとも、発
展途上国の人々にも敬意をも
って接する氏の人間観からくる
のでしょうか。
 昭和10年生まれ、84歳の額田さん、これからの仕事に話
が及んだとき、「私は120歳まで仕事します」と、おっしゃ
います。氏の意思の強靭さを感じた瞬間でした。
 “次代を担う子ども達に望むこと”をたずねました。額田さん
は、高津高校での自身の体験をふまえながら、「せまい勉強
の仕方は面白くない。幅広く人間を評価してほしい」、「かつて
の高津がめざした
『自由と創造』の教育であるべき」と、私たち
大人の責任を強調されました。

大きなクロガネモチの木の前で   額田晃作さんと倫子さん

 奥さんの倫子さんには、屋
敷内を案内していただきまし
た。その時、
内助の功という
言葉が、ふと浮かびました。
庭には、鬼瓦がさりげなく置
かれています。額田家の歴
史やご夫婦の歩みを陰なが
ら見守ってきたのではと感じ
つつお宅をおいとましました。
 


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取材:村上 福田 岸本  楢  編集:楢よしき  校正:駒
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