2017年10月10日掲載
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写真は、「枚岡自然と文化愛好会」の提供です。 |
朝晩は冷えてまいりました。街角には金木犀(キンモクセイ)の芳香が漂よい、生駒山麓は急速に秋の気配を強めています。これから始まる短い秋を充分にお楽しみください。さて、三十八回目の今回は、静と動をテーマにして、渾身(こんしん)の作品をご紹介します。記事の最後には、写真を提供いただいている「枚岡自然と文化愛好会」の夕日撮影会の様子を載せています。ご覧ください。
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短い命 (五条町) |
蟷螂(=カマキリ)がじっと獲物を待っています。静止しているようでいて、一瞬のうちに飛びかかれる構え。静から動への変転を予感させます。雄大な背景と絶妙にカーブした舞台で、見栄をきるかのような一匹の蟷螂。宇宙的な名演技です。 |
明日を占う(枚岡神社) クリック:拡大 |
ハルカス遠望(五条町) クリック:拡大 |
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「占いに何て書いてある?」「まあまあな!」と、静かな会話が聞こえてきそうなスナップショット。次の瞬間、占いのことなどケロっと忘れて、明るい表情で遊びにむかうことでしょう。行動的なのが若者の特権です。
ハルカスを望む、のんびりとしたのどかな秋の景色。でも、ズームレンズでぐんぐん近づいてゆくと、そこには、季節に関係なく動きまわる人々の群れや走る車が見えるはず。静かな中にも街の活気が感じられます。 |
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大阪サンセット(枚岡梅林)
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日中の太陽は、直視できないほどにエネルギーに溢れています。一方、沈む夕陽はいかがでしょう。太古の人々は、「太陽は衰えた」と考え、明日の太陽の再生を祈りました。中世には、太陽の沈む地平の下に黄泉(よみ)があると想像しました。再び復活する太陽を自分になぞらえ、極楽往生と蘇(よみがえ)りを願いました。昼の躍動のあとの静かな静かな太陽の一瞬です。 |
踏切を渡る御神輿(枚岡駅南) クリック:拡大 |
宮入り2(枚岡神社) クリック:拡大
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秋郷祭といえば、太鼓台の激しい動きが思い出されます。しかし、そんな秋郷祭の中にも別な一場面があるのをご存じですか。御神体を乗せた神輿(みこし)は、静々と町を巡行してゆきます。
激しく動く太鼓台だって、ぴたっと停まるときがあります。観衆注視の中、掛け声も止み、本殿に向かい宮入りを伝え、恭(うやうや)しく拝礼をする一瞬です。
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宮入り1(枚岡神社) |
一年中のほとんどを暗い倉庫で静かに眠っている太鼓台。祭りが近づくと挽き出され、布団の朱の色も鮮やかです。人が太鼓台を担ぐのか、それとも太鼓台が人に担がせるのか。ともかく、太鼓台と人々は一体となって激しく躍動します。境内は、集まった太鼓台と観衆の熱気で、エネルギーの坩堝(るつぼ)のようです。 |
枚岡宇宙(枚岡神社) クリック:拡大 |
クライマックス(枚岡神社) クリック:拡大 |
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一転して祭りが終われば、太鼓台は倉庫の中で静かに眠り、エネルギーを蓄えます。担ぎ手も、次の日から来年の祭りを指折り数えながら、日常生活を送ります。動と静とは、時代を越え幾世代にも渡って、延々と廻ってきました。
今年の秋郷祭は、10月14日(土)宵宮祭、15日(日)本宮です。
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文:楢よしき 校正:駒 |
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新会長 湊 守雄さん
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写真提供:「枚岡自然と文化愛好会」
国定公園の指定を受ける生駒山麓
は、大阪府下では数少ない自然の貴
重な地域として広く知られています。
府民はもとより、府外からも四季の
移り変わりを求めて、登山やハイキン
グ等に訪れます。
「枚岡自然と文化愛好会」は、生駒
山の四季と、そこに悠久の昔から鎮
まる枚岡神社の神事、行事を写真等
をもちいて記録に残し、我々の大切な
文化として、次の世代に伝えることを
目的としています。
会長 湊 守雄
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編集部謹告
5月に逝去された前会長石橋勇さんの後を継ぎ、湊 守雄さんが新会長に就任されました。今後も引き続き本シリーズにご協力いただくことになりました。
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<シリーズ バックナンバー>
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